末梢性T細胞リンパ腫。海外で試験中の治療はどうか
末梢性T細胞リンパ腫非特異群と診断されました。化学療法の効果はあまり高くないと聞いています。海外では、CHOP療法*にデニロイキン・ディフティトックスという薬剤を併用する、効果が高い治療の治験が行われているとネットで知りました。このような治療を受けるのはどうなのでしょうか。
(福岡県 男性 43歳)
A 臨床試験は治療効果を調べる段階
この病気は、症例数が少ないことに加え、症状や経過がさまざまなため、現状ではまだ標準治療が定まっていません。いま、一般的に行われているのは、CHOP療法です。残念ながら、治療効果は十分ではありません。CHOP療法後に自家末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法を行い、予後が改善した報告があります。
デニロイキン・ディフティトックスとは、インターロイキン- 2にジフテリア毒素を結合させた製剤です。CHOP療法との併用については、第2相臨床試験が行われている段階ではっきりした結果は出ていません。
第2相臨床試験というのは、第1相試験で毒性(患者さんへの副作用)を調べ、毒性が耐えられる範囲で治療薬の投与量が決められたあとの試験です。
この第2相で腫瘍が小さくなる効果を検討します。臨床試験で行われている治療が、有効な治療と認められているわけではないのです。いろいろな臨床試験があります。主治医からの治療説明の際、臨床試験参加の希望を話されてはいかがでしょうか。
*CHOP療法=エンドキサン(一般名シクロホスファミド)+アドリアシン(一般名塩酸ドキソルビシン)+オンコビン(一般名ビンクリスチン)+プレドニン(一般名プレドニゾロン)の4剤による抗がん剤治療