皮膚転移にはどんな治療法が有効?

回答者:上野 貴史
板橋中央総合病院 外科医師
発行:2011年2月
更新:2019年8月

  

乳がんからの皮膚転移について質問します。胸壁に再発し、右胸の広範囲の皮膚、腋に転移が広がっています。また、腋の下のほうにしこりがあり、うち1つは筋肉に癒着しています。主治医から皮膚移植手術を提案されていますが不安です。皮膚転移にはどんな治療法が考えられますか。化学療法ではどんな薬を使いますか。皮膚移植手術後の再発率はどのくらいですか。

(東京都 女性 40歳)

A 皮膚移植はせず、全身治療のホルモン剤、抗がん剤治療を

皮膚転移には大きく分けて2種類あります。1つは、にきびの大きいもののような塊として出てくるタイプ。このタイプは切除すれば、しばらくは再発しない場合もあります。もう1つは、皮下のリンパ管に沿ってジワーッと広がるタイプ。後者のほうが、性質が悪いです。2つのタイプが重なって起こることもあります。

ご相談者の場合は、胸壁に広範囲に広がっているとのことなので残念ながら後者のタイプでしょう。腋の筋肉に癒着しているしこりは、腫瘍の再発と考えられます。かなり重篤な状態で、一般的には皮膚移植手術が適用になる段階ではないと思います。植皮しても再度再発する可能性が高く、一時的な局所症状の緩和としてのみの意味しかないと思われます。

全身治療と、これまで放射線をかけていなければ放射線療法も加えてみるという治療法が一般的です。全身治療としては、ホルモン療法や抗がん剤が考えられます。皮膚転移だからといって特別な抗がん剤を使うわけではなく、通常の転移の場合と同じです。残念ながら長い目で見れば、皮膚移植をしても、再発率はほぼ100パーセントです。ただし短期間の局所コントロールの意味はありえます。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート2月 掲載記事更新!