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喫煙者の場合、手術リスクが高くなるというのは本当か

回答者:坪井 正博
神奈川県立がんセンター 呼吸器外科
発行:2009年5月
更新:2013年11月

  

62歳の夫が最近、肺がんと言われました。愛煙家で長年、たばこを吸い続けてきました。喫煙が、肺がんの原因になったようです。開胸手術を予定していますが喫煙者の場合、手術のリスクが高くなると聞きました。化学療法も効きにくくなると言われましたが本当でしょうか。手術のリスクを低くする方法、化学療法を効きやすくする方法があったら教えてください。

(茨城県 女性 60歳)

A 手術リスクを減らすには禁煙が最も大切。一般的に2ヵ月禁煙

一般的に、愛煙家の肺がんの手術は、手術後に痰つまりによる肺炎や、治りにくい間質性肺炎を起こしやすく、不整脈や狭心症、心筋梗塞などのリスクが高いことが知られています。手術のリスクを減らすには、禁煙が最も大切です。

一般的には2ヵ月の禁煙、短くても1ヵ月の禁煙をしてもらってから手術をします。禁煙と同時に、うがいで気道をきれいにすること、運動をすることも大切です。経験的な話ですが、禁煙後に手術をすると、痰の量が明らかに少なくなります。分子標的薬のイレッサ(一般名ゲフィチニブ)や、タルセバ(一般名エルロチニブ)は、上皮成長因子受容体(EGFR)の遺伝子変異のある人に有効ですが、この上皮成長因子受容体の遺伝子変異は、非喫煙者に多いことがわかっています。逆に言えば、喫煙者では化学療法の効きにくい人がいらっしゃるとも言えます。

現時点で、化学療法を効きやすくする方法はありません。喫煙は、肺がんの100パーセントの原因ではないかもしれませんが、原因の1つです。肺がんの治療は、禁煙をしない限りうまくはいきません。強い意志で、禁煙してください。

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