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CTには影が映るが、PETでは何も映らない。肺がんは大丈夫?

回答者:吉田 純司
国立がん研究センター東病院 呼吸器外科医長
発行:2005年10月
更新:2013年11月

  

先日、CTで肺の検査を受けたら、1センチほどの影があると指摘されました。後日、PET(陽電子断層撮影法)を受けたのですが、このときは何も映らないと言われました。PETは最新鋭の検査機器で、これまでは発見できなかった非常に小さながんも発見できると聞いています。CTには映って、PETには映らない影とは何なのでしょうか。肺がんの心配はないのでしょうか。

(広島県 男性 53歳)

A CTに映っても、PETには映らない影もある

PETをどんな小さながんも発見できる魔法の装置のように思っている人もいるようですが、それは間違った認識です。PETにも限界があって、発見できるがんの大きさは最新の機種でも5ミリ程度までです。

このくらいの大きさのがんは、がん細胞の活動性や密度が低いこともしばしばあり、そのようながんは多少大きくてもPETでは写らないことが珍しくありません。

そのようながんの代表のひとつが「Q:早期肺がんの可能性が。胸腔鏡手術を勧められたが……」でお答えしたような肺のすりガラス様陰影のがんで、この方の病変もそれが最も疑われます。

1センチ程度のすりガラス様陰影なら、3年から5年ほど経過をみればよいでしょう。それで、消えれば心配ありませんし、大きさが変わらなければ引き続き経過を観察して下さい。もし大きくなるなどの変化があれば、手術などの診断・治療を行えばよいでしょう。

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