化学放射線療法は有効?免疫療法は?

回答者:砂村 眞琴
大泉中央クリニック院長
発行:2013年7月
更新:2015年2月

  

膵がんと診断されました。腫瘍が大きいとのことで抗がん薬による化学療法を提案されました。セカンドオピニオンでは、抗がん薬に放射線照射を加えた化学放射線療法を勧められました。また、ペプチドワクチンを使った免疫療法を勧める知人もいます。どのような治療なのでしょうか?

(東京都 男性 60歳)

A 放射線の併用は治療の目的による

手術で切除できないと判断された場合には、標準的な治療としては化学療法と放射線治療があります。

抗がん薬による化学療法に加え、さらに膵臓の原発巣に放射線照射を加える治療は有効との報告があり、セカンドオピニオンではそのような回答になったのだと思います。

放射線治療は転移がない場合に用いられるので、局所進行膵がんが対象になります。局所進行膵がんに対して抗がん薬を単独で使用していくのが良いか、放射線治療を追加したほうが良いかについては、臨床試験が行われていますが、エビデンス(科学的根拠)のある報告はまだありません。

ただこれまでの報告を見ると、膵がんには強い疼痛が伴いますが、放射線治療には疼痛緩和効果が期待できます。そのため疼痛緩和と腫瘍制御を目的として放射線治療を併用する施設もあります。治療の目的を理解して選択すべきでしょう。

ペプチドワクチンというのは、がん細胞から出ている抗原に対し、それを認識し攻撃するリンパ球を誘導しようという抗原特異的免疫療法です。

ペプチドワクチンは、世界的にも知られていますが、治療が有効かどうかを検証する臨床試験は進行中です。これまでに一部の結果が開示されましたが、有意な治療効果が得られていません。

ペプチドワクチンを含む免疫療法が効いたという人は確かにいますが、抗がん薬などを併用している人がほとんどなので、免疫療法が効いたのか明確でないのが現状です。

日本でもペプチド療法や樹状細胞療法・リンパ球療法などの細胞治療を行っている医療機関がありますが、免疫療法に過度な期待を持つことは現状ではあまり正しくありません。

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