術後の抗がん薬治療。副作用が怖い

回答者:砂村 眞琴
大泉中央クリニック院長
発行:2013年7月
更新:2013年11月

  

膵がんの手術を受けました。主治医は「がんをとり切った」と言いますが、再発予防のために抗がん薬を使うことになりました。副作用が怖いのですが、どのようなことがありますか?

(愛知県 男性 66歳)

A 薬も考え方も進化怖がらずに説明聞いて

欧州の研究グループが手術プラス抗がん薬治療でどれくらい生存期間が延長するかという臨床試験をしています。その結果、膵がんの手術の後に化学療法を併用した場合では手術だけよりも生存期間が延長するという結果が明らかになりました。

膵がんの手術後に抗がん薬治療を行うということは、世界的に認知され標準治療になっています。日本でも研究がされていて、一部では同じ結果が確認されています。

膵がんに用いられる主な抗がん薬は、ジェムザールとTS-1です。ジェムザールは点滴で投与します。1週間に1度の外来で対応できます。髪が抜けるといった目に見える副作用がなく、仕事と両立しながら治療できます。TS-1は経口薬で、毎週通院する必要はありません。少し吐き気が出たり、食欲が落ちるといった副作用がありますが、重い症状は多くの方にはでません。

抗がん薬での治療というと、これまでのイメージで怖いといった印象で拒否される患者さんもいますが、事情はずいぶん変わっています。薬剤の進歩もありますし、医師も日常生活をなるべく損なわないような治療法を選択するようになっています。

担当医から治療の進め方、副作用などをしっかり聞いたうえで、ご自身の考えをまとめ、力を合わせてがんと闘っていくのがよろしいかと思います。

ジェムザール=一般名ゲムシタビン TS-1=一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム

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