手術後に補助療法を勧められた。副作用は大丈夫か?

回答者:上野 秀樹
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科医師
発行:2012年2月
更新:2013年11月

  

膵がんにかかり、約9時間をかけて膵がんの切除を受けました。手術が終わり体力が回復してきたため、主治医がジェムザールという抗がん剤を使用した補助療法を提案しております。抗がん剤を受けるのははじめてなのですが、副作用はどのようなものがあるのでしょうか。また、副作用に対する対応の仕方も教えていただきたいです。

(東京都 男性 65歳)

A 一般的に軽度だが、症状が強い場合は対策を

膵がんの手術は大変だったと思いますので、無事に終わり順調に体力も回復されていらっしゃるとのことで、なによりです。今回は、そのようなときに主治医の先生から抗がん剤を用いた化学療法を勧められたというわけですね。ご質問にもあるように、このような治療のことを補助療法と呼びます。

膵がんに対しては、手術後に補助療法としてジェムザールを受けると予後が改善することが臨床試験で示されており、日常診療で広く行われています。ジェムザールは週に1回、静脈から点滴するタイプの抗がん剤で、通常は3週続けて投与した後4週目を休薬するサイクルを1コースとして繰り返します。

手術後、補助療法をどのくらい受けたらよいかははっきりしていませんが、海外の臨床試験で用いられた6カ月間の治療期間を採用している施設が多いようです。

ジェムザールで比較的良くみられる副作用には、食欲不振、吐き気、下痢などの消化器症状、白血球減少や血小板減少、貧血などの骨髄抑制(普通は自覚症状はありません)、発熱、疲労感、皮疹などがあります。消化器症状や発熱、疲労、皮疹などは点滴を受けた日から2~3日以内に出現しやすく、骨髄抑制は1~2週間後に現れます。これらの症状の大半が軽度かつ一過性であり、多くの方は外来で安全に治療を受けることが可能です。

しかし、抗がん剤の副作用には個人差がありますので、症状が強い場合には対策が必要です。たとえば、消化器症状や発熱、疲労感、皮疹に対してはステロイド(デカドロンなど)をジェムザールと一緒に点滴することが多くの場合に有効です。

また、悪心・嘔吐に対しては吐き気止め、下痢に対しては整腸剤や下痢止め、皮疹に対しては塗り薬や抗アレルギー薬なども、効果が期待できるでしょう。いずれにせよ、副作用に関しては主治医の先生ができる限り軽減できるように試みて下さると思いますので、我慢しないでお伝え下さることが大切です。

また、患者さん自身が行える対策としては、消化器症状があるときは無理せず食事は控えめにし、脱水症状にならないように十分な水分をとる・脂っこいものやにおいの強いものは避ける・口腔内を清潔に保つ、骨髄抑制に対しては過剰に心配する必要はありませんが手洗いうがいをしっかり行う、倦怠感に対しては無理せず十分休むなどが挙げられます。

まれですが、起こると重篤な副作用としては強い骨髄抑制による感染症や出血、間質性肺炎などがあります。悪寒を伴う高熱、皮下出血や消化管出血、息苦しさや強い倦怠感などが表れたときは主治医の先生にご相談ください。

ジェムザール=一般名ゲムシタビン デカドロン=一般名デキサメタゾン

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート6月 掲載記事更新!