術後再発リスク分類で中リスク群。効果的な術後治療を知りたい

回答者:関口 勲
栃木県立がんセンター 婦人科・第1病棟部長
発行:2010年6月
更新:2013年12月

  

子宮体がんで手術を受け、子宮全摘と卵巣、卵管を切除。骨盤、傍大動脈リンパ節もとり除きました。術後再発リスク分類と呼ばれるものによると、中リスク群になるとのことです。化学療法や放射線治療など、効果的な術後治療について教えてください。

(大分県 女性 55歳)

A 中・高リスクなら放射線、抗がん剤治療が必要

術後再発リスク分類とは手術の結果に基づいて進行期、組織型、分化度などを総合的に評価し、術後再発の危険性を低リスクから高リスクまで分類したものです。これまでの膨大な臨床データと分析に基づいて、専門家が分類しています。一般的に、低リスク群の方は手術療法のみで治療を終了します。中リスク群および高リスク群では、放射線療法もしくは抗がん剤治療などの追加治療が必要です。

放射線療法は、骨盤に照射します。局所治療で照射した部位の予防効果しか期待できません。月曜から金曜まで1日1回、週5回、5週で合計25回が標準的です。

全身のがん細胞に効果を発揮する抗がん剤治療は、2つのレジメン(組み合わせ)があります。1つ目はアドリアシン(一般名ドキソルビシン)+シスプラチン(一般名)、2つ目はタキソール(一般名パクリタキセル)あるいはタキソテール(一般名ドセタキセル)+パラプラチン(一般名カルボプラチン)です。治療効果は、同等と考えてよいと思います。前者は、腎毒性を抑えるために大量の輸液をして尿をたくさん出す必要があるので入院が必要です。後者は外来治療が可能ですが、手足のしびれが問題になります。どちらも、3~4週おきに6回施行するのが一般的です。

日本産科婦人科学会によると、婦人科医の大半は抗がん剤治療を推奨しています。

輸液=水分や電解質・栄養素などを、体液補給、電解質バランスの補正、栄養補給などの目的で非経口的に投与すること

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