広汎子宮全摘術後、リンパ浮腫がつらい。手術で治療できないか

回答者:上坊 敏子
社会保険相模野病院 婦人科腫瘍センター長
発行:2007年11月
更新:2013年12月

  

子宮体がんの2期と診断され、広汎子宮全摘術とリンパ節郭清を受けました。手術は成功したのですが、リンパ浮腫になりました。左脚の太腿やふくらはぎは右脚に比べ、5センチ以上太くなってしまいました。不快なうえに、歩くのがつらい状況です。自分で脚をよくマッサージしたり、弾性ストッキングや足用エアーマッサージャーを使用したりしていますが、なかなかよくなりません。「顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術」などの手術もあると、雑誌で読んだことがあります。手術を受けると、よくなるのでしょうか。

(福島県 女性 53歳)

A 手術は最後の手段。リンパ浮腫専門施設の受診を

リンパ浮腫の治療の基本はマッサージ、弾性ストッキングの使用、そして薬の服用です。

ご相談者は、マッサージをよくされているようですが、専門家の指導のもとに行っているのでしょうか。リンパ浮腫のマッサージには技術が必要で、我流では効果があまり出ないことがあります。まずは、がんの手術を受けた医療施設の医師や看護師に、マッサージの方法などを改めて聞いてみてはいかがでしょうか。

ただし、医師や看護師はがんの治療に神経が行きがちで、リンパ浮腫の治療は得意ではないこともあります。そうした場合は、リンパ浮腫専門の治療施設に相談されてみるとよいでしょう。主治医に相談して、施設を紹介してもらうとよいと思います。

リンパ浮腫専門の治療施設で行うことは、基本的には、先に挙げたマッサージ、弾性ストッキングの使用、薬による治療の3つです。

日常生活では、立ちっぱなしを避け、よく歩くようにしてください。歩いて筋肉を使うことで、リンパ管や静脈はいわば自動的にマッサージされます。入浴時には必ずマッサージをして、寝る際には、足を高めにするとよいでしょう。

こうした治療を続け、生活に留意しても、改善せず、つらいということであれば、手術を受けるのもよいと思います。その意味では、手術は最後の手段といえます。リンパ浮腫の手術を行っている施設はかなり少ないですが、主治医からこれまでの経過を書いてもらって受診してください。

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