不明確な点がまだ多い若年者胃がん 生存期間は通常年齢層と変わらず
2016年10月
「若年者胃がんの治療につながる研究を進めたい」と話す中山厳馬さん 罹患数も死亡数も依然多い胃がん。今年(2016年)7月に国立がん研究センターが公開した「2016年のがん統計予測」では、罹患数予測は大腸がんに次いで第2位(男性2位、女性4位)、死亡数予測では肺がん、大腸がんに次いで第3位(男性2位、女性3位)となっている。胃がんの発症原因の1つとして、H. pylori(ヘリコバクター・ピロリ菌)...
胃がん
2016年10月
「若年者胃がんの治療につながる研究を進めたい」と話す中山厳馬さん 罹患数も死亡数も依然多い胃がん。今年(2016年)7月に国立がん研究センターが公開した「2016年のがん統計予測」では、罹患数予測は大腸がんに次いで第2位(男性2位、女性4位)、死亡数予測では肺がん、大腸がんに次いで第3位(男性2位、女性3位)となっている。胃がんの発症原因の1つとして、H. pylori(ヘリコバクター・ピロリ菌)...
2015年7月
「なかなか分子標的薬が登場しなかった胃がん領域において新薬が承認されたことは1つの進歩と言えるでしょう」と語る朴成和さん 手術による切除が困難と判断された進行・再発胃がんの化学療法に、ファーストラインではエルプラット(2015年3月承認)、セカンドラインでは分子標的薬のサイラムザ(同)が加わった。かつて胃がんは抗がん薬が効きにくいがんと言われたが、着実に治療の選択肢が広がりつつある。 入院せずに外...
2015年7月
「腹膜播種の診断と治療の両方を行えるのが最大のメリットです。5年以内の実用化を目指したい」と語る辻本広紀さん これまで胃がんの腹膜播種では抗がん薬が効かなくなると、それ以上打つ手がなかったが、昨年(2014年)11月、光増感剤内包ナノ粒子を用いた光線力学療法(PDT)により、ヒト胃がん細胞を移植したマウスの腹膜播種モデルで体重減少の抑制と生存期間の延長効果が得られたとの報告があり、将来的には食道が...
2015年7月
胃がんの怖さに腹膜播種がある。決して珍しい症状ではなく、胃がんでの死亡者のうち、半数近くが腹膜播種に苦しむとされている。これまでは化学療法を受けても予後が悪いとされてきたが、近年は新しい併用療法の研究が進んでいる。その中でも、とくに注目されているのが、パクリタキセルなどを用いた腹腔内投与併用療法。この併用療法に2006年から取り組んでいるのが東京大学医学部附属病院腫瘍外科。本誌では、これまでにも数...
2014年8月
「検診から除菌まで制度が整いつつあります」と話す上村直実さんヘリコバクター・ピロリ菌の感染が確認されれば、胃炎の段階でも除菌療法に保険が適用されるようになったのは2013年2月。世界に先駆けて日本で制度化された。それから1年半、ピロリ除菌療法はどのような展開をしているのか。 ピロリ除菌で胃がんリスクは低下 図1 10年間で胃がんが発症したのはピロリ菌感染者のみ ヘリコバクター・ピロリ菌という名称は...
2014年8月
「食道胃接合部がんに関して、今後さらなる研究が進むことが期待されます」と話す瀬戸泰之さん欧米では食道と胃の境目(接合部)にできる食道胃接合部がんが増加傾向にあるが、日本でも将来的には患者数が増える可能性があるとされる。東京大学大学院医学系研究科消化管外科学教授の瀬戸泰之さんによると「これまで、食道胃接合部がんに対しては、世界的にも決まった治療法がなかったのですが、ようやく方向性が示されてきた」とい...
2014年8月
「ステージⅣでも切除手術を目指せる時代になりました」と話す福地 稔さん胃がんのステージⅣと診断されると、20年前はかなり厳しい状況だった。しかし今、進化した化学療法と外科手術を組み合わせたコンバージョン手術(conversion surgery)が注目されており、予後を改善する報告が相次いでいる。コンバージョン手術の内容と現状を専門家に聞いた。 化学療法と手術のコラボで根治を目指す 図1 がん切除...
2014年8月
「日本を始め、世界で新薬開発に取り組んでいます」と話す山田康秀さんかつて、胃がんは抗がん薬が効きにくいがんの1つと言われた。しかし、1980年代から新しい抗がん薬が使用されるようになったり、近年では分子標的薬も適応となり、生存期間も延びている。切除不能進行・再発胃がんにおける化学療法の最新事情をまとめた。 進歩する胃がん化学療法 胃がんの治療は基本的には外科手術による切除が選択されるが、進行してい...
2014年8月
「専門施設での受診を勧めます」と話す西田俊朗さん年間、10万人に2人ほどにしか発症しないGIST(消化管間質腫瘍)。胃がんとは発生過程が全く異なるが、GISTも胃にできるがんだ。20年ほど前にその概念ができたばかりだが、医師らは研究会を結成するなど治療成績向上に尽力している。2014年4月には、第3版の治療ガイドラインが刊行された。初版刊行は2008年日本で初めてGISTの診療ガイドラインができた...
2014年8月
50回目の開催を迎え、今年も世界各国から多くの臨床医が参加した今年で開催50回の節目を迎えた米国臨床腫瘍学会2014年年次学術集会(ASCO2014)が、5月30日~6月3日の日程で、シカゴにおいて開催された。今号の特集にちなんで、消化器領域の中から胃・食道がんに関する臨床試験の話題を拾った。胃がん 切除不能進行再発胃がんの3次治療で 経口分子標的薬による治療効果認める 切除不能進行再発胃がんでは...