2017年10月
「手術後に合併症が起きると、生命予後が悪化することがわかっています。つまり手術が5年後、10年後の患者さんの人生に影響を与えてしまうことがあるのです。だからこそ、できるだけ術後合併症を減らすことが大切なのです」と語る井田智さん 胃切除術後に起こる術後合併症は、手術直前の栄養状態が悪いほど起こりやすいことが明らかになった。栄養状態の指標となるのはプレアルブミン値。血液を調べるだけの簡便な検査で、術後...
2016年10月
「ここ数年で、進行・再発胃がんに使える薬剤が増え、治療選択肢は広がっています」と語る設楽紘平さん 以前は、化学療法が効きにくいがんの1つとしてあげられてきた胃がんだが、ここ数年で効果のある薬剤が登場し、患者の治療選択肢は広がっている。進行・再発してしまった場合の治療はどう進めていくべきか。1次治療から順に段階を踏んで整理するとともに、今話題の免疫チェックポイント阻害薬の動向についても、専門家に話を...
2016年10月
「さらなる研究を進め、患者さんの治療に役立てたい」と話す瀬戸泰之さん 食道と胃の境界領域に発生する食道胃接合部がん。これまで1つのがん種としては捉えられていなかったが、この部位のがんに改めて注目しようという動きが強まっている。「胃癌治療ガイドライン」(日本胃癌学会編2014年5月改訂・第4版)にもようやく登場した。 胃がんなのか、食道がんなのか 口から摂取した食べ物の通り道となる消化管は、胃、十二...
2016年10月
「若年者胃がんの治療につながる研究を進めたい」と話す中山厳馬さん 罹患数も死亡数も依然多い胃がん。今年(2016年)7月に国立がん研究センターが公開した「2016年のがん統計予測」では、罹患数予測は大腸がんに次いで第2位(男性2位、女性4位)、死亡数予測では肺がん、大腸がんに次いで第3位(男性2位、女性3位)となっている。胃がんの発症原因の1つとして、H. pylori(ヘリコバクター・ピロリ菌)...
2014年8月
「ステージⅣでも切除手術を目指せる時代になりました」と話す福地 稔さん胃がんのステージⅣと診断されると、20年前はかなり厳しい状況だった。しかし今、進化した化学療法と外科手術を組み合わせたコンバージョン手術(conversion surgery)が注目されており、予後を改善する報告が相次いでいる。コンバージョン手術の内容と現状を専門家に聞いた。 化学療法と手術のコラボで根治を目指す 図1 がん切除...
2014年8月
「日本を始め、世界で新薬開発に取り組んでいます」と話す山田康秀さんかつて、胃がんは抗がん薬が効きにくいがんの1つと言われた。しかし、1980年代から新しい抗がん薬が使用されるようになったり、近年では分子標的薬も適応となり、生存期間も延びている。切除不能進行・再発胃がんにおける化学療法の最新事情をまとめた。 進歩する胃がん化学療法 胃がんの治療は基本的には外科手術による切除が選択されるが、進行してい...
2014年8月
「検診から除菌まで制度が整いつつあります」と話す上村直実さんヘリコバクター・ピロリ菌の感染が確認されれば、胃炎の段階でも除菌療法に保険が適用されるようになったのは2013年2月。世界に先駆けて日本で制度化された。それから1年半、ピロリ除菌療法はどのような展開をしているのか。 ピロリ除菌で胃がんリスクは低下 図1 10年間で胃がんが発症したのはピロリ菌感染者のみ ヘリコバクター・ピロリ菌という名称は...
2013年9月
北里大学医学部消化器内科学主任教授の小泉和三郎さん 日本人のがん罹患数を見ると、最も多いのは胃がん。死亡率は肺がんに次いで2番目だ。がんの仕組みから、対処法、治療の展望までを2014年3月の日本胃癌学会総会の会長を務める北里大学の小泉和三郎さんに聞いた。 胃がんってどんな病気?■胃と周辺の臓器胃には、いろいろな食べ物が入ってきます。そして、食べられたものに含まれるタンパク質をバラバラにする胃液と...
2013年9月
腹腔内併用療法を、着実に進めてきた石神浩徳さん 長きにわたり、有効な治療法が確立されていなかった胃がんの腹膜播種。そこに登場した、TS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法と胃切除が、安全かつ高い治療成績を示している。腹膜播種予防への同法の応用など、新たな可能性へも展開が期待されている。 腹膜播種のある胃がんに腹腔内投与を併用する■図1 胃がんの腹膜播種『胃がん治療ガイドラインの解説』を改変...
2013年9月
「進行・再発胃がん治療の選択肢は広がっていきます」と話す山口研成さん 進行・再発胃がんに対するファーストラインの化学療法は、現在はTS-1*+シスプラチン*(SP療法*)が標準治療だが、TS-1+オキサリプラチン併用のSOX療法も同等の有効性があることがわかり、新たな治療法として加わる見通しとなった。今後、進行胃がんの治療は、複数の治療法の中から患者さんが選択する時代に変わっていくことが期待されて...