化学療法で、吐き気やだるさがひどい。ケアする方法は?

回答者:森実 千種
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科医師
発行:2013年1月
更新:2014年1月

  

膵がんで、現在は、ジェムザールとTS-1を使った化学療法を受けていますが、猛烈な吐き気とだるさに悩まされています。これを抑える方法がありますか。

(高知県 女性 48歳)

A 単剤での治療やステロイドなどで吐き気対策を

最近報告された臨床試験の結果では、ジェムザールとTS-1の併用療法は、ジェムザール単剤療法を凌駕する治療成績が出せませんでしたので、標準治療にはなっていません。

ですから、現在副作用で苦労されているのであれば、ジェムザールもしくはTS-1のどちらか単剤で使用する治療法に切り替えることをお勧めします。単剤で治療することにより、副作用が軽減できる可能性があります。

一般的にジェムザールやTS-1は、吐き気やだるさなどの副作用が出にくい薬だといわれていますが、人によってはどうしても出てしまう人がいます。

その場合、ステロイド剤が最も有効な吐き気止めといわれています。抗がん薬投与の前に、前投薬として予防投与すると効果的です。それ以外には制吐薬としてカイトリルやアロキシといった制吐剤もあります。

それでも、吐き気が続くようであれば、イメンドという内服薬もあります。この薬はシスプラチンなどの強い吐き気を催す抗がん薬治療を行う際に、吐き気止めとして使われる薬剤です。

ジェムザールやTS-1はそれほど強い吐き気を催す薬ではありませんが、1番体にあった前投薬を考えてもらうとよいでしょう。

ジェムザール=一般名ゲムシタビン TS-1=一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム カイトリル=一般名グラニセトロン アロキシ=一般名パロノセトロン イメンド=一般名アプレピタント シスプラチン=商品名ブリプラチン/ランダ

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