手術後、息切れする。呼吸が楽になる訓練法は?
父(75歳)は、5年前に肺がんで右上葉の手術を受けました。がんがわかってからは、それまで吸っていたたばこも一切やめ、生活も改善し、順調な経過をたどっていたのですが、最近になって階段や坂道などで息切れを起こすようになりました。病院にいったところ、再発ではないと言われてほっとしています。ただ、呼吸が苦しくなるということで父はあまり外に出たがらず、家族としては心配です。病院では、安静時の血液中の酸素の低下はなく、動いたときに若干下がることから、酸素療法は必要ないと言われています。呼吸が楽になる訓練法など、何か良い方法はありますでしょうか。
(秋田県 女性 46歳)
A 慢性閉塞性肺疾患の疑いも。歩くことがリハビリ
ご相談者の文面を拝見しますと、お父様には慢性閉塞性肺疾患の疑いが見られます。がんを機にたばこをやめられたということですが、たばこをやめてもその後10年間は人体に影響を及ぼすことがわかっています。
ですので、1度、呼吸器内科の医師に診てもらう必要があるかと思います。もし慢性閉塞性肺疾患ということであれば、気管支を広げて呼吸を楽にするお薬を処方してもらうと同時に、リハビリを行っていくことが大切です。
リハビリとしては、手術直後ではラッパのようなものを吹いて呼吸機能を回復する方法などがありますが、手術から時間がたっている場合には、胸の周りの筋肉やお腹の筋肉を鍛えていくことになります。
私が1番お勧めしているのは歩くことです。歩いているうちに自然と大きな深い呼吸ができるようになりますし、全身の筋肉をつけることによって呼吸機能の回復が見込まれるからです。
また、お父様は家に閉じこもりがちということで、少しうつ傾向に入っている可能性があります。無理をしない程度にお父様を外へ連れ出して、少し散歩をするような形でリハビリを始められてはいかがでしょうか。
その際に、お父様のお話を聞いてあげるなど、心のケアも一緒にしてあげて下さい。