舌がん手術後の経過観察は2~3カ月に1回でもよいか
2008年の9月に、舌がんで舌の一部を切除する手術を受けました。退院後は2週間に1度、外来で検査を受けていますが、病院が遠く、また、持病もあるため、通院が苦痛です。主治医からは舌がんは再発しやすいため、「手術後、1年間は2週間に1度、受診するように」と言われています。2~3カ月に1回ほどの通院ではいけないでしょうか。
(新潟県 男性 56歳)
A 1年間は、少なくとも1カ月に1回受診するのが望ましい
舌がんの再発の6~7割は手術後、1年以内に起こります。そのため、手術後1年間は厳重に経過を観察する必要があります。
しっかりしたデータやエビデンスがあるわけではないのですが、2~3カ月に1度程度の経過観察は、手術後1年目としては開きすぎです。少なくとも月に1回は診察を受けたほうがよいと思います。なぜなら、先にお話ししたように、大半の再発は手術して1年以内に起こることと、再発した場合、すみやかに治療する必要があるためです。
参考までにお話しすれば、ご相談者と同様のケースでは、私も一般的には、少なくとも月に1回は患者さんに来院してもらって、経過を診ています。 もし主治医の指示どおり通院することが難しいのであれば、主治医に相談の上、月に1回は、近所の耳鼻科医に診てもらい、2~3カ月に1回、主治医に診察してもらうという方法もあります。近所の耳鼻科医も、できれば頭頸部のがんの診療経験のある医師が望ましいでしょう。
手術後2年目以降は1~2カ月に1回など、少しずつ経過観察の間隔は開けてもよいと思います。
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