71歳の父。終末期の治療法選択について
2004年春、71歳の父が急性骨髄性白血病と宣告されました。約2カ月間の抗がん剤の治療を受けて寛解には至らなかったものの、退院しました。しかし、先月再入院しました。白血球が800/ミリ立方メートル程度しかなく、その90パーセントが白血病細胞であるとのことです。担当医の話では、抗がん剤治療を受けても、うまくいって余命2カ月ほどとのことです。また、体も弱っているため、治療で命を落とすこともあると言います。担当医は「ご本人とご家族の希望を聞いて治療法選択をしたい」と言いますが、父も私たちもとても選択できません。どうすることが父にとって一番よいのでしょうか。
(福島県 女性 46歳)
A 患者さんとご家族の希望に添った治療法を選択する
白血球数などのデータから推測すると、急性骨髄性白血病は治っていないようです。担当医が説明しているように、あまりよい状態ではないと考えられます。抗がん剤治療を受けるか、受けないかで迷われているようですが、すでに約2カ月間、抗がん剤治療を受けて寛解に至らなかったわけですから、新たに抗がん剤治療をしても残念ながら寛解に至る可能性は低いと思います。
しかし、お父さんが精神的に強い方で「抗がん剤治療を受けたい」ということなら、治療を受ける価値はあるでしょう。ただし、65歳以上の場合、強い抗がん剤治療を行うと副作用が強くなり、全身状態の衰弱も激しくなると予想されます。そこで、やや弱い抗がん剤療法を行うこともあります。過去30~40年間、高齢者の白血病に対して、さまざまな治療法が登場しましたが、その治療効果や生存率で画期的なものは見つかっていません。この事実も含めて判断してください。
逆に、お父さんが「つらいので抗がん剤治療は受けたくない」ということであれば、抗がん剤治療はお勧めしません。積極的な治療は行わず、お父さんがいかに心地よい時間を過ごせるかを考えたほうがよいのではないでしょうか。最終的には、お父さんとご家族の希望に沿った治療を選択するしかないと思います。