濾胞性リンパ腫の再発の治療法は?
3年ほど前、病院に入院して組織を調べる検査を受けて、非ホジキンリンパ腫とわかりました。濾胞性リンパ腫とのことで、複数の抗がん剤を併用する治療法を受けました。この化学療法でいったんはよくなりました。しかし、治療後2年ほどで再発しました。再発治療は、どんな治療が効果的なのでしょうか。
(福井県 男性 55歳)
A 救援化学療法にリツキサンを加えた治療が一般的
濾胞性リンパ腫は、年単位でゆっくりと進行する低悪性度のリンパ腫です。ご相談者の場合も、「Q:非ホジキンリンパ腫の治療法と副作用対策は?」と同様、B細胞かどうかを確認してもらうことが大切です。
濾胞性リンパ腫のB細胞型で再発した場合、治療して2年経過しているとのことですから、一般的には、救援化学療法にリツキサンを加えた治療となります。リツキサンの効果は、半年ほど続くといわれています。
救援化学療法にはEPOCH療法やESHAP療法などたくさんあります。EPOCH療法は、べブシド(一般名エトポシド)、オンコビン、エンドキサン、アドリアシン、プレドニンを組み合わせた治療です。
ESHAP療法は、べブシド、シスプラチン(商品名ブリプラチンまたはランダ)、キロサイド(一般名シタラビン)、プレドニンを組み合わせた治療です。抗がん剤のプリンアナログも治療効果の高い薬剤です。点滴のロイスタチン(一般名クラドリビン)や、内服薬のフルダラ(一般名フルダラビン)を用いることもあります。吐き気等の副作用は比較的軽いのですが、骨髄の機能の低下が長引くことがあり注意が必要です。
海外では、ゼバリン(一般名イブリツモマブ)という薬が使われています。リツキサンと同様、CD20に取り付く抗体に放射性同位元素を乗せたものです。悪性リンパ腫細胞がすべてB細胞であるとは限りません。そこで、放射性同位元素が周囲のB細胞でないリンパ腫細胞まで攻撃するようにしたものです。日本では臨床試験が終わり、近々発売される予定です。
さらに、より強い治療であれば、救援療法に引き続き自家造血幹細胞移植を併用した大量化学療法もあります。55歳でしたら、この治療法も可能です。
基本的には、前回の化学療法で使用しなかった抗がん剤を組み合わせて、リツキサンを加えるのがよいと思います。さらに再発したリンパ腫の増大速度はどの程度なのかも考慮して治療法を選択するのがよろしいでしょう。濾胞性リンパ腫の治療法にはいろんな選択肢があります。1つひとつの治療効果とリスクについて、主治医の先生とよく相談して治療法を選んでください。