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マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第32回 多様性を実感する <両脚・ワニのポーズ>

森川那智子 こころとからだクリニカセンター所長
発行:2021年1月
更新:2021年1月

  

もりかわ なちこ こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。『なんにもしたくない!』(すばる舎)『リラックスヨガ』(成美堂出版)『心がラクがずっと続くヒント』(青春出版社)など著書多数

コロナ禍のなか、行く先不透明な年があけました。

行く先は不透明でも、今やることは明確。感染防止対策を丁寧に行いつつ、やれることをやっていくことです。うちのがんサバイバーのためのヨガ講座もそうです。定員を半分に減らし、風通しを確保し、マスク着用のまま行ないます。

様々な国の様々なコロナ対策

連日のニュースで「1日の感染者が過去最多を更新」「医療現場はひっ迫している」と報道されていますが、リスク感覚は人によって様々。国や地域によってもずいぶん違います。その社会的文化的背景によって、これだけの多様性が現れるのでしょうか。

ヨーロッパでは冬に向かって感染が再び拡大、英国やフランスやドイツが規制を厳しく強めています。そんななか、スウェーデンでは一貫してロックダウンも罰則もなく、ソーシャルディスタンスを求めながら、お店も営業していますが、ここにきて4人以上の飲食店での食事規制、公共交通機関内でのマスク推奨(20/12/19)など政策を変更しています。

当初から70歳以上の高齢者は自主隔離、買い出しなどについてはボランティアのネットワークが充実しているといいます。一時、コロナによる死者数が増え続け、ほかの国々から批判が出ましたが、スウェーデン国民は、疫学者テグネル博士が率いる政府のこうした感染対策の支持率は50~70%前後と高かったようですが、流動動的になってきたようです。

かたや感染者が出たら徹底して封じ込める政策を取ってきた中国では、ほぼ制圧したとして、レストランも娯楽施設も工場も流通も平常通り、医療用防護服などのコロナ感染防止用品を世界に売り、今後はワクチンもいち早く生産し、ワクチン外交を展開するらしい。こうした中国の感染対策に国民の支持はとても高いといいます。

ニュージーランドやオーストラリアでは、ごく少ない10~20人の感染者が発生した段階ですぐに州をまたぐ交通を遮断したり、ロックダウンを含む強硬な対策を行っています。「海外との交流は今年の7月くらいまで難しい」との見通しだそうで、これまた支持率が高い。

台湾での感染対策のユニークさはもうご存知の方も多いと思うが、2019年12月31日に世界に先駆けて中国からの検疫を始め、感染者数も死者数も極めて低く抑えてきました。

感心するのはメリハリの効いた対策で、公共交通機関にはマスクなしでは乗れないし、違反者には罰金が科せられます。最近では、ホテルで隔離中だった外国人が無断で部屋から廊下に8秒間出たとして、当局から罰金36万円余りの支払いを命じられました(20/11/19)。

罰則と並行して、夜市をはじめお店や娯楽施設は通常通り営業。コロナの影響を受けた経済を刺激し消費を促進するため「振興三倍券」という券が発行されて、2020年7月からお店での利用が開始されています。原則台湾籍の人は台湾元NT$1,000を買うと、その3倍のNT$3,000を使用することができるシステムで、紙版とデジタル版から選ぶことができるというのだから大胆です。

今は何が正解かわからない

実にいろんな国や地域が多様な対策を打っている。ネットで一時話題になっていたが、寒さも乾燥も厳しいパキスタンで感染者数が減っていて、その理由に各国研究者たちは困惑しているそうだ。こんなことを聞くと世界は広いと実感する。

世界最悪の感染者数と死者数が出ている米国では、相反する考えが入り乱れています。日本の過去最多を更新した1日当たり感染者数約3,000人(20/12)という数字も、米国で1日当たりの死者数が3,000人を超えた(20/12)という数字を並べてみると、なんだかどう理解したらいいのかよくわからなくなります。

しかし、日本ではどの対策をやっても不満が出そうであり、アクセルとブレーキを同時多発的にかけている日本では、理由はわからないけど、なんとかしのいでいる。やっぱ、わからん。

与謝野晶子がスペイン風邪について「横浜貿易新報」に2回寄稿したことは以前にも書きました。政府の感染防止対策が矛盾だらけであると指摘。曰く、人が密集しているところを閉鎖しない、デパートや相撲、劇場も禁止しない。一方で学校は早々と閉鎖したのに矛盾だらけだと疑問を呈しています。

矛盾するいくつかの対策を同時並行してやることは、この時代にもあったようです。

コロナ禍での唯一の救いは、子どもは感染してもほとんど無症状か軽症で済む、ということでしょうか。

<両脚・ワニのポーズ>

さて、自粛疲れと運動不足を緩和するために、呼吸を整え、<ワニのポーズ>の続きを行いましょう。多様性ということでは、人の心も身体も実に多様です。自分の身体に「全集中」して、身体の声に耳を澄ませながら行うことで、マインドフルネス・ヨガは楽しくなり、効果が増してきます。

先月は片脚ずつ行いましたが、今月は両脚を揃えて行います。腹直筋や腹斜筋を意識しながら行いましょう。腰痛がある人、とりあえず痛みがある人はやらないほうがよい。痛みが取れてからも、腰痛対策をしながら行います。

①仰向けに寝て、両腕を横に伸ばす。両脚は膝を立てる。顔はまっすぐ上を見る

②ゆっくり息を吸いながら両脚を上方に伸ばす。膝は曲がっていてもよいので(無理して伸ばさない)、大腿部が床に垂直になるようにする

③ゆっくり息を吐きながら、肩甲骨と肩を床から浮かさないように、両脚を揃えたまま右手に45~60度くらいまで倒し、このまま4~8呼吸保つ

④ゆっくり②の姿勢に戻す。太腿の表側の筋肉も使われているので、キツければここで足を下ろしてもよい。2呼吸整えて再び②の姿勢になる

⑤今度は反対側左に45~60度倒し、同様に保つ。腹筋がどのように使われているか、意識しながら行う

 

がんサバイバーやそのご家族でヨガのご体験がありましたら、ぜひ体験記などをお寄せください。kokokara@center.email.ne.jp

こころとからだクリニカセンター
PC www.kokokara.co.jp/
携帯 www.kokokara.co.jp/m/

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