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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(39)火呼吸

イラスト●星奈レイ
発行:2011年2月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

火呼吸で免疫力UP

火呼吸① お尻をしっかり床につけ、安定した楽な座り方で座る。右もも内側につけ、右足をその上にのせたら、足先を左足のももとふくらはぎの間に入れる。

東洋医学では昔から「冷え」は体の不調を招くと言われ、夏の暑い盛りでも冷たい飲料の飲みすぎなどで体を冷やさないようにと言われてきました。

最近では免疫学の見地からも、体温と免疫力との関係が解き明かされ、現代人の平均体温が低くなっていることと併せて注目を集めています。

若い女性がダイエットを日常的に続け、カロリーを控えているため、見かけはやせていなくても筋肉量が減り、基礎代謝も体温も低めであることは、もう20年以上前から指摘されていたことでした。

それでも「平熱が35度台の子どもが増えている」と聞いたときは耳を疑いました。最近の子どもの平熱は、50年前と比べ1度近く低下しているのだそうです。

一般的に子どもの体温はやや高め、お年寄りの体温はやや低めと言われています。

女性の場合、更年期を過ぎると基礎体温を測ることもなくなり、自分の平熱を知らないという人も少なくありません。

② 右手を腹に軽く当て、軽く息を吐き、ゆったり吸ってスタート。10までカウントしながら、力強く素早く1回1秒弱でぐっぐっと、腹筋を使って腹をへこませる。

Oさん(52歳女性)もそうでした。

母親が熱っぽいというので体温を測ったら36度2分。熱なんかないじゃないと決めつけると、母が、いつもは35度そこそこだって言うわけです。

Oさんは少し驚いて、今度は自分の体温を測ったらなんと35度2分。

これまでずっと自分の平熱は36度4分と思っていたのでほんとうにびっくりしたそうです。

ところで、ヨガは汗だくになるわけではないのに、どんなポーズを行っても、じわーっと体の深部が温まってくる気持ちよさがあります。

ポーズを行う前と後では体温も0.2~0.5度上昇します。

もちろん入浴しても、温かい食事を食べても、全身運動をしても体温は上がりますが、実は呼吸法だけでも体を温めることが可能です。

③ 腹をへこませると反射的に息は肺から押し出される。

今回紹介する火呼吸は、まさに代謝を高め、体温を高め、免疫力を高めます。

呼吸ですから、ごくごく短時間で場所に関係なくでき体が温まってきます。

火呼吸は別名ふいご呼吸とも言います。

ふいごというのは、火をおこすのに用いた送風器で、金属の精錬や加工の際に火の温度を上げたり、火力を強めるために使用された器具です。

しかし、今では「村の鍛冶屋」の歌詞で知るくらいで、実物を見たことがある人もほとんどいません。

歌詞の「息をもつかず」なくらいに、素早く、強く、ぐっぐっぐっぐっと腹部を連続的に力強くひく(へこませる)という呼吸法です。

ちょっと疲れてくると、鼻先でふがふがと息を出してしまいます。慣れるまでは手をお腹に当てて、腹部の動きを感じながら行いましょう。

大笑いしたあと、お腹が筋肉痛をおこすことがありますよね。そんなくらいにお腹が使えるといいですね。

火呼吸

④ 腹部が緩むと反射的に息が鼻からはいってくる。2~4セット。①の姿勢にもどりゆったりと呼吸を整える。脚を組みかえて同様に。

座布団やタオルなどを敷き、寒くない工夫をして行いましょう。ここでは、しっかり腰を下ろした姿勢で行う方法を紹介していますが、慣れてくればイスに腰掛けたまま行ってもOKです。

火呼吸は、1回0.5秒~1秒弱で腹部を瞬間的に思い切りへこますことをリズミカルに繰り返す呼吸法です。10回連続して1セット。吐くとか吸うとかを意識しないで、とにかく腹部をぐっとへこますことにだけ注意集中して行います。

① 安定した楽な座り方で座りましょう。

図では吉祥座という座り方をしています。左足を右もも内側につけ、右足をその上にのせます。足先を左足のももとふくらはぎの間に入れて安定させています。どういう座り方でも、お尻がしっかり床につき、骨盤を安定させられ、脊柱がすっと無理なく伸ばせればOKです。

②  右手を腹に軽く当てて、腹部の動きを手で感じるようにしましょう。軽く息を吐き、ゆったり吸ってスタートです。1、2、3……10までカウントしなが ら、力強く素早く1回1秒弱でぐっぐっと、腹筋を使って腹をへこませます。すると反射的に息は肺から押し出され(図③)、また腹部が緩むと反射的に息が鼻 からはいってきます(図4)。

10回目に深く十分息を吐ききります。次のセットでは、またゆったり吸ってスタートします。2~4セット行いましょう。

③ ①の姿勢にもどり、普通にゆったりと呼吸を整えます。脚を組みかえて同様に行いましょう。

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