12月になると、めっきりと寒くなります。
季節の食材をいただきつつ、体を温める必要があります。
体を温める効果がある牡蠣や、滋養効果のある根菜などの旬の食材で、新しい年を迎える準備をしましょう。

牡蠣御飯

材料（2人分）
・米……2合
・牡蠣……10個
・もみのり……適量
・生姜……ひとかけら（30g）
A
・水……300㏄
・薄口醤油……30㏄
・酒……30㏄

作り方
① 　米は研いで15分浸水後、ザルに15分とり、水気を切っておく
② 　生姜はみじん切りにして水にさらしておく
③ 　牡蠣はさっと熱湯にくぐらせ、霜降りをし、ザルにあげる
④ 　ザルごとAにつけて一煮立ちさせ、牡蠣はとりおく。この煮汁はとっておく
⑤ 　炊飯器に④の煮汁と米を入れ、高速炊きで御飯を炊く
⑥ 　炊き上がる直前に③の牡蠣を加える。炊き上がったら②の生姜を加えて蒸らす
⑦ 　もみのりを御飯の上にのせる

※写真は土鍋ですが、レシピは炊飯器で炊く場合です

春菊としめじのポン酢和え

材料（2人分）
・春菊……4本
・しめじ……1/2パック
A　　
・醤油……90㏄
・酢……60㏄
・オレンジ絞り汁……30㏄
・ごま油……15㏄

作り方
① 　春菊は葉の部分だけをとり、塩を入れた熱湯で歯切れ良く茹で、水にとり、水気を絞っておく。食べやすい長さに切る
② 　しめじは石づきをとり、小房に分け、さっと熱湯に通しておく
③ 　Aを合わせてポン酢を作る
④ 　春菊としめじを和えて器に盛りつけ、ポン酢をかける

ポイント
ポン酢はいただくときにかけましょう

けんちん汁

材料（2人分）
・れんこん……50g
・にんじん……30g
・かぼちゃ……50g
・大根……100g
・しめじ……1/2パック
・生しいたけ……2枚
・長ねぎ……1/2本
・油揚げ……1/2枚
・木綿豆腐……1/2丁
・七味唐辛子……適量

A
・出し汁……500㏄
・薄口醤油……大さじ2
・酒……大さじ1

作り方
① 　大根、にんじんはいちょう切りにし、かぼちゃは1センチ角に切る。しめじは小房に分け、生しいたけは4等分に切る。れんこんは皮をむいて乱切りにしておく。豆腐は一口大にちぎっておく。長ねぎは小口に切っておく
② 　①の野菜をさっと湯に通してザルにあげておく
③ 　Aと②のかたい野菜から火にかけ、火が通ったら豆腐、長ねぎを加えて軽く火を通す
④ 　器に盛りつけ、七味唐辛子を散らす

ポイント
かぼちゃは崩れやすいので1番最後に入れると良いでしょう

師が走るから師走。いろいろな説がありますが、万葉の時代から十二月と書いてシハスと呼んでいたそうです。そんな慌しさのある月にはたっぷりの野菜で体を温め、豊かな海の幸をいただき、元気に1年を締めくくりましょう。
牡蠣は海のミルクと呼ばれるほど栄養に富み、とくに亜鉛を豊富に含む食べ物の代表選手です。亜鉛は新陳代謝を促進させる重要なミネラルです。しかも造血ビタミンと言われるビタミンB12も含みます。ビタミンAや葉酸が豊富なのりと一緒にいただきましょう。ちなみに葉酸とビタミンB12は手を取り合って正常な赤血球をつくるのに大活躍してくれます。
れんこん、ごぼう、かぼちゃ、大根、にんじんなどの根菜類はカリウムを多く含みます。カリウムは細胞内のナトリウムの量を調整し、腎臓の老廃物の排出を助けます。煮汁と一緒に栄養を丸ごといただきましょう。
しめじに含まれる不溶性食物繊維の1つ、グルカンは免疫力を高めます。しかも低カロリー。春菊は春に花を咲かせるのでこの名があり、その独特の香りは自律神経に作用し、胃腸の働きを良くします。免疫力をアップさせるビタミンAも豊富です。
ポン酢は簡単にできます。フレッシェなオレンジを使い、香りも一緒に楽しみましょう。
何かと忙しいこの季節、美味しくて私たちの味方になってくれる野菜と海の幸をいただき、元気に新しい年を迎えましょう。

野崎洋光 のざき　ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ　のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

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