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左乳房全摘・ステージⅠ。ホルモン療法だけで大丈夫なのか

回答者●上野貴史
板橋中央総合病院乳腺外科医長
発行:2019年12月
更新:2019年12月

  

腫瘍大14mm、センチネルリンパ節生検陰性0/2、グレード2、HER2: score 1, ER: score 3b, PgR: score 0、ki67 10%以下という組織検査所見およびオンコタイプDX検査の再発スコアは17でした。オンコタイプDX検査前にki67は10%以下からルミナルAだと言われ、今までそう思っていたのですがいかがでしょうか。また、化学療法なしにホルモン療法(現在、アリミデックス1mg服用中)だけなのですが、この治療方針をどうお考えでしょうか。化学療法は必要なしで大丈夫でしょうか。

(50歳 女性 東京都)

1%でも治癒確率を増やしたいなら化学療法の追加を

板橋中央総合病院
乳腺外科医長の上野貴史さん

ルミナルAかBかのタイプを決めるのはあくまでも遺伝子検査です。ki67などの組織検査所見はあくまで遺伝子検査の代用であり、ki67値は検査施設間で値のずれも大きいため、この数値を絶対視しないほうがいいとされています。またサブタイプ分類は血液型のように厳密に決まるわけではなく、判定があいまいな場合もあります。

PgRスコアが低い場合(染色率10%以下)は、近年ではルミナルBサブタイプと見なすようになっています。質問者の場合、組織学的PgRスコアが0だったことからは、ルミナルBサブタイプライクと考えられ、化学療法の適応は別の因子も考慮して決めるのが妥当です。オンコタイプDX検査を受けていて、再発スコアが17だということでは化学療法の追加利益は50歳以上ではほとんどないとされ、50歳以下ではわずか(1.6%)です。ホルモン療法のみの治療でいいのではないかと思いますが、1%でも治癒確率を増やしたいのなら化学療法を追加施行するオプションもあります。

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