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リュープリンの副作用について知りたい

回答者:上野 貴史
板橋中央総合病院 外科医師
発行:2013年4月
更新:2019年8月

  

昨年、ステージⅠと診断され、乳房温存手術を受けました。現在は3カ月に1回のリュープリンと毎朝のノルバデックスを服用中です。頻尿で悩んでいます。リュープリンの副作用に頻尿はあるのでしょうか? それとも精神的なものなのでしょうか?

(群馬県 女性 34歳)

A 頻尿症状は稀にある

乳がんのホルモン療法は、閉経前か閉経後かで使う薬剤が異なります。閉経前の場合は、ノルバデックス*内服が原則ですが、ノルバデックスとLH-RHアゴニスト製剤を併用する場合があります。LH-RHアゴニスト製剤には、リュープリンとゾラデックスがあります。偽閉経療法ともよばれ、卵巣機能を抑えることで効果がみられます。月1回の皮下注射製剤ですが、リュープリンには3カ月毎投与する製剤もあります。

閉経したときと同じホルモン環境となるため、副作用として、のぼせ、ほてり、肩こり、頭痛、不眠、めまい、発汗など更年期症状が多くみられます。稀ですが、重篤なものとして間質性肺炎や、急性のアレルギーであるアナフィラキシー症状、肝機能障害や黄疸が現れることもあります。頻尿は5%未満の頻度で起こりうるとされています。

出現する副作用は、更年期症状が主な原因と予想されるため、リュープリンをゾラデックスに変えても、有効な可能性はあまり高くありません。したがって、あなたの場合、頻尿治療を行いながらリュープリン投与を継続し様子をみるか、リュープリンの投与を中止することになるでしょう。頻尿の原因として尿道炎などがあれば抗生剤内服で治癒する可能性もあります。

ホルモン療法としてノルバデックスとリュープリンの併用による治療を行っているようですが、LH-RHアゴニスト製剤・ノルバデックス併用とノルバデックス単剤との補助治療効果を比較した場合、併用したほうが良いという大規模臨床試験の結果はまだ出ていません(試験中)。そのため、Ⅰ期の場合、必ずしも併用しなければならないとうことはなく、副作用があるようならリュープリン投与を止めて、ノルバデックス単剤にしてもよいと考えられます。

頻尿の原因として、感染がなければ神経的な原因のこともあります。その場合、抗不安剤などの投与で治療します。主治医とよく相談することが大切です。

リュープリン=一般名リュープロレリン ノルバデックス=一般名タモキシフェン ゾラデックス=一般名ゴセレリン

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