ハーセプチン治療の延長はできるか?

回答者・上野貴史
板橋中央病院 外科医師
発行:2013年12月
更新:2014年3月

  

2013年2月に乳房全摘手術を受け、抗がん薬治療後、ハーセプチンとホルモン療法を行っています。今のところ再発はなく、副作用もさほど重いものはありません。順調に経過していると思うのですが、ハーセプチンはあと1回で終了です。

再発予防の効果が落ちないように、このまま続けるという選択肢はないのでしょうか? 再発した乳がんではハーセプチンの効果がある限り、それを続けると聞いているのですが……。

(58歳 女性 福岡県)

ハーセプチン治療の至適期間は1年間

板橋中央病院外科医師の上野貴史さん

早期乳がんのHER2陽性患者さんに対し、術後補助療法として1年間のハーセプチン治療を行うと無病生存期間(DFS)や全生存期間(OS)が延長することがわかっています。しかしそれより短い期間、あるいは長い期間の投与ではどうなるか、以前から課題となっていましたが、2012年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で臨床試験の結果が報告されました。

5千人以上の患者さんを対象とした国際多施設無作為化比較試験で、術後補助療法として3週毎のハーセプチン治療を1年間受ける群と2年間受ける群に割り付け、治療の結果や効果を見たところ、2年間投与しても、治療効果は改善されないことがわかりました(HERA試験)。もう1つ別の試験で6カ月投与群と1年投与群とを比較したのですが、6カ月投与での非劣勢が証明されませんでした。前者では効果が劣る可能性があったのです(PHARE試験)。

この2つの試験結果から、術後補助療法としてのハーセプチン治療期間は、効果や副作用のことを勘案して1年間の治療ということが標準治療として確立しています。

ハーセプチン=一般名トラスツズマブ

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