悪性葉状腫瘍と診断。再発した場合の治療法は?

回答者・上野貴史
板橋中央総合病院外科医師
発行:2014年12月
更新:2015年3月

  

今年の春、左乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検を受けました。がんの大きさは2.5cmぐらいで、術後の病理検査の結果は悪性葉状腫瘍でした。主治医からは局所再発や肺などへ転移することが多いと言われましたが、補助療法は行っていません。再発した場合の治療法を教えてください。

(45歳 女性 静岡県)

肺転移の場合、化学療法のほか、手術という意見も

板橋中央総合病院外科医師の
上野貴史さん

乳がんは乳腺の腺管上皮に発生するのに対し、葉状腫瘍は間質細胞が腫瘍化したもので、肉腫に分類されます。発症率は低く、乳房の悪性腫瘍の中で0.5%ほどです。良性、悪性、境界型があり、どのタイプでも治療の基本は手術による腫瘍の摘出です。化学療法や放射線療法の有効性は証明されていないので、補助療法として行うことはありません。乳がんとは異なり、リンパ節治療は不要とされています。

乳腺内の局所再発を起こしやすいため、十分なマージン(乳腺の断端部分と腫瘍までの距離)をもった切除が必要です。また、悪性または境界型の場合の遠隔転移は、肺に最も多くみられます。

再発の治療は、局所再発で手術が可能であれば手術を行います。遠隔転移の場合は化学療法を行いますが、肉腫の場合、化学療法の効果があまり期待できません。そのため、肺転移の場合も、単発なら手術をしたほうがよいという意見もあります。

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