最近わかった肺のしこりは、手術で切除したほうがよいか
数年前に、右乳房にがんが見つかって、最近、検査で肺に1カ所しこりのあることがわかりました。肺転移の可能性もあるようです。手術で切除したほうがよいのでしょうか。
(岐阜県 女性 61歳)
A 転移性肺がんの場合、一般的に手術適応はなく、全身療法を行う
重要なのは、肺のしこりが乳がんとは別の原発性なのか、転移性なのかを見極めることです。一般的に、原発性では手術適応であり、根治できる可能性があります。
一方、乳房にあったがん細胞が、血液やリンパ液の流れに乗って、肺に運ばれてできた転移性の場合、一般的には手術適応はなく、全身療法を行うのが原則です。腫瘍マーカーや画像所見からわかることが多いのですが、原発性なのか、転移性なのかが診断できないことがあります。その場合、手術で切除して病理検査で判断します。相談者は、1カ所だけとのことですから原発性かもしれません。病理検査で、原発性なのか、転移性なのかを診断するためにも、手術という選択肢が出てきます。
肺の手術方法については、肺の担当医が判断します。体への負担が少ないのは胸腔鏡下での手術です。しこりの場所などによって、手術方法は異なってきます。転移性と診断された場合、単発で無症状ならホルモン感受性があればホルモン療法で治療開始するのが標準です。