舌に白い固まり。がんでは…

回答者:岸本 誠司
東京医科歯科大学 頭頸部外科教授
(2013年6月)

  

kishimoto









舌の奥に痛みを感じることが続いたので、鏡で見ると白い固まりが見えました。口内炎かと放っておいたのですが、知人に聞くと「がんでは」と言う人や「耳鼻咽喉科に行けば」と言う人もいます。まずは近くの医院にかかるべきでしょうか?

(東京都 女性 42歳)

A いろいろな原因が考えられる

人体の首から上で頭を除いた部分を頭頸部と呼びます。頭頸部がんはすべてのがんの5%ほどでそれほど多くはありませんが、今後増えていくのではと予想されています。

頭頸部がんの中でも、さらに部位別にみると、喉頭がんの患者数はほぼ横ばいですが、口腔がん、咽頭がんは増加傾向にあります。男女比でみると男性に多くなっています。

頭頸部のがんのうち、4割が口腔がんです。さらに口腔がんの中で最も多いのが6割を占める舌がんです。

舌の奥の白い固まりということですが、いくつかの原因が考えられます。最も気をつけなければならないものが舌がんです。 固まりにはいろいろなタイプがあります。固まりが舌の表面に盛り上がるようになったり、盛り上がらずに舌の深くに入り込んだり、あるいはあまり固まりを作らず舌の表面に潰瘍を作るものなどがあります。多くの場合、舌の縁の歯に当たるところにできます。

また、舌の表面が白くなる病気として白斑症もありますが、しこりを作ることはあまりありません。これはがんの前ぶれとなる前がん病変と考えられており、その何割かが、がんになる可能性があります。

アフタ性口内炎というものもあります。これは、白くベタッとした浅い小さな潰瘍で痛みを伴いますが、通常は1~2週間ほどで治ります。

舌の奥というと扁桃腺がありますが、そこに白い固まりができることもあります。扁桃腺のがんの場合もありますが、多くは扁桃腺のくぼみに溜まった老廃物の白い固まりです。これは膿栓といい、とくに病的なものではありません。

舌にできた白いものががんかどうか初期には見た目ではわかりません。がんが心配なときには、指で直接触って自分でチェックしてみて下さい。

白斑症ならしこりは触れずに、こすっても出血や痛みもありません。がんならば、表面がざらざらした感じになったり、しこりを触れたりしますし、こすることで痛みや出血も生じます。

この様に口の中にしこりができて出血したり、2~3週間経っても良くならないときは早めに専門医を受診することをお勧めします。かかるのは、耳鼻咽喉科、頭頸部外科あるいは歯科口腔外科などです。

がんかどうかは、組織の一部をとり顕微鏡で調べる生検をします。白斑症にもおとなしいものからがんになる可能性の高いものまで、さまざまな状態がありますので、生検をしてみないと判断がつかないこともあるのです。

がんが見つかっても、まだ小さいうちはその部分だけの切除でほとんど後遺症なしに治ります。大きくなれば広い範囲の切除が必要となり様々な後遺症が出てきます。

何はともあれ、まずは医療機関にかかることです。検査が怖いという人もたくさんいますが、早めに見つけることがなによりも大切です。

がんサポート編集部へ、がん相談をお寄せください。

 

 

 

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