このまま治療を続けるべきか
2019年に胸腺腫と診断され、腫瘍を切除しました。ところが、手術ですべて取り切れず腫瘍は残ったと言われ、翌2020年3月から放射線治療を25回受けました。しかし、呼吸する際に苦しさがあり、呼吸器内科に転科しました。
2021年6月からタキソール+カルボプラチン併用療法がスタートしましたが、その結果、手のしびれが強く、指の感覚がなくなってきました。現在3クールを終えたところですが、このままこの治療を続けるべきか、迷っています。
主治医からは化学療法を始める際、「胸腺腫瘍に効果があるかはわからないが、やってみましょう」と言われました。
(75歳 男性 茨城県)
A この併用療法は一旦、中止を

日本医科大学大学院医学研究科
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
タキソール(一般名パクリタキセル)+カルボプラチン(一般名)療法は、効果に関しては、3クールでほぼ十分な投与回数だと思います。手のしびれが強く、指の感覚がなくなるような副作用が出ているなら日常生活にも支障をきたしていると考えられますので、この併用療法は一旦中止されたほうがいいと思います。
胸腺腫瘍は無治療で病状が安定していることもあります。しばらくは経過をみて、腫瘍が大きくなって自覚症状が出るようになったら、ステロイド剤のプレドニン(同プレドニゾロン)20㎎/日の内服をご検討されてはいかがでしょうか。