肝臓に再発。ラジオ波焼灼療法による治療は?

回答者:上野 秀樹
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科医師
発行:2009年11月
更新:2013年11月

  

半年前に膵頭部がんと診断され、手術を受けました。手術後の経過は良好でしたが、先日、CT(コンピュータ断層撮影)の検査で肝臓に再発があることを知らされました。肝臓の転移は2カ所で、大きさはいずれも2センチ程度とのことです。主治医からは抗がん剤を勧められていますが、友人から肝臓がんにはラジオ波焼灼療法というよい治療があると聞きました。肝臓の再発に対してラジオ波焼灼療法はどうでしょうか。

(京都府 男性 74歳)

A 膵臓がんの肝臓転移。ラジオ波焼灼療法は勧められない

ラジオ波焼灼療法は肝臓に特殊な針を刺して、肝臓の中にあるがんを熱で焼き殺す治療です。1回の治療で直径3センチ程度の円形に病変を焼灼することができるため、小さな肝臓がんに対する治療として急速に普及しています。

しかし、ここで注意しなければならないのは、肝臓がんには、肝臓から発生した原発性肝臓がんと、他の臓器に発生したがんが肝臓に転移した転移性肝臓がんがあることです。ラジオ波焼灼療法が有効であることが示され、日常診療で広く用いられているのは、原発性肝臓がん(肝細胞がん)であり、転移性肝臓がんに対するラジオ波焼灼療法の効果は今のところ明らかになっていません。

原発性肝臓がんでなくても、大腸がんや神経内分泌がんなど、比較的ゆっくりと進行するタイプのがんが肝臓に転移・再発した場合は、肝臓のがんをコントロールすることで症状の緩和や延命効果が得られる可能性があり、肝切除やラジオ波焼灼療法が積極的に行われています。しかし膵臓がんの場合は、切除やラジオ波焼灼療法を行っても早期にまた再発を起こし、延命効果が得られない可能性が高いことから、これらの治療は一般的ではありません。とくに、膵頭部がんを切除された場合は、胆管の再建術を受けているため肝臓内の感染が起こりやすく、ラジオ波焼灼療法はお勧めできません。

主治医と相談の上、抗がん剤による治療をご検討されることをお勧めします。抗がん剤に関しては「Q:ステージ4bの膵臓がんに、未承認の抗がん剤は効くか?」と「Q:転移ある膵臓がん。具体的な抗がん剤の選択肢は?」の回答をご参照ください。

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