2008年6月
京都大学医学部付属病院 乳腺外科教授の 戸井雅和さん 乳がんの薬物療法は、分子標的薬の登場によって、飛躍的な効果を上げている。 しかし、その一方では、高度化・複雑化し、次第にブラックボックス化しつつある。 そうした新しい分子標的薬の時代にあって、患者さんはどう向き合えばいいのだろうか。 再発・転移性乳がん治療で注目を浴びた分子標的薬 乳がん治療は分子標的薬の臨床応用が進んでいる分野だ。まず...
2007年11月
骨転移の標準治療薬は「ゾメタ」 ビスフォスフォネートは、欧米では約10年前より乳がん骨転移の標準的治療薬となっていますが、日本では、ようやく近年になって骨転移の治療薬として使えるようになりました。 ビスフォスフォネート製剤には、経口薬や注射薬などさまざまな薬剤があります。経口薬は主に骨粗鬆症の治療薬として使われています。注射薬としてはアレディアとゾメタが骨転移の治療薬として用いられています。ゾ...
2007年5月
埼玉医科大学乳腺腫瘍科教授の 佐伯俊昭さん 進行再発乳がんの基本となる治療指針 進行再発乳がんでは、がん細胞はすでに全身に広がっていると考えられる。そのため、治療法としては、ホルモン療法か化学療法の全身療法が選択される。これらをどう進めていくかを示した治療指針として、「ホルトバギーのアルゴリズム(治療手順)」がよく知られている。 この治療指針では、女性ホルモンに対する感受性の有無が、治療法を選...
2007年2月
東京大学病院 緩和ケア診療部副部長の 岩瀬哲さん 肺や骨などに転移した乳がんは、たとえ検査で1箇所しか見つからなくとも、すでに全身に微小な転移が存在しており、遅からず増殖するものとして、治療の目的は延命とQOLの維持になります。 つまり、がんによる症状や薬の副作用を極力抑えるのが、よい治療法と考えられるのです。 ところが、このインフォームド・コンセントが不十分なまま化学療法を行って、日常...
2006年12月
聖路加国際病院 ブレストセンター長 中村清吾さん なかむら せいご 聖路加国際病院ブレストセンター長、乳腺外科部長。 1982年千葉大学医学部卒業。聖路加国際病院外科レジデント。97年米国MDアンダーソンがんセンターで研修。99年マクマスター大学でEBM研修。03年聖路加国際病院外科医長。06年聖路加看護大学臨床教授 聖路加国際病院薬剤部の 渡部一宏さん わたなべ かずひろ 聖路...
2006年11月
国立がん研究センター東病院 化学療法科の 向井博文さん どんながんでも、再発・転移すると治療が難しくなるものだが、幸いにして乳がんの場合はホルモン療法が有効であり、抗がん剤や分子標的治療薬など新しい薬が次々と登場している。より効果的で負担の少ない治療法についても検討されている。 再発乳がんの治療はどこまで進んでいるのだろうか。 手術時にすでに見えないがんの芽 乳がんが再発・転移する人はどれ...
2006年9月
サポート医師・渡辺亨 医療法人圭友会 浜松オンコロジーセンター長 わたなべ とおる 1955年生まれ。80年、北海道大学医学部卒業。同大学第1内科、国立がん研究センター中央病院腫瘍内科、米国テネシー州、ヴァンダービルト大学内科フェローなどを経て、90年、国立がん研究センター中央病院内科医長。2003年、山王メディカルプラザ・オンコロジーセンター長、国際医療福祉大学教授。 現在、医療法人圭友会 浜...
2006年2月
浜松オンコロジーセンター長の 渡辺亨さん 乳がんの骨転移の治療薬として、ビスフォスフォネート製剤のアレディア(一般名パミドロン酸二ナトリウム)が定番化している。 臨床試験で好成績が示され、またすでに欧米では標準となっている治療法が普及したことで、骨転移の症状に苦しむ日本の患者は大きな福音を得た。 腫瘍内科の第一人者である浜松オンコロジーセンター長の渡辺亨さんは、「ビスフォスフォネートの登...
2005年8月
サポート医師・渡辺亨 医療法人圭友会 浜松オンコロジーセンター長 わたなべ とおる 1955年生まれ。 80年、北海道大学医学部卒業。 同大学第1内科、国立がん研究センター中央病院腫瘍内科、米国テネシー州、ヴァンダービルト大学内科フェローなどを経て、90年、国立がん研究センター中央病院内科医長。 2003年、山王メディカルプラザ・オンコロジーセンター長、国際医療福祉大学教授。 現在、医療法人圭...
2004年10月
チームリーダー・渡辺 亨 山王メディカルプラザ・ オンコロジーセンター長 わたなべ とおる 1955年生まれ。 80年、北海道大学医学部卒業。 同大学第一内科、国立がん研究センター中央病院腫瘍内科、米国テネシー州、ヴァンダービルト大学内科フェローなどを経て、 90年、国立がん研究センター中央病院内科医長。 腫瘍内科学、がん治療の臨床試験の体制と方法論、腫瘍内分泌学、腫瘍増殖因子をターゲットにし...