腫瘍内科医のひとりごと 97 「挑戦してこそ得られる結果」
2019年1月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 がん化学療法で、最近すこし気になることがあります。医師の治療ガイドラインの標準治療。それが最も大切で、標準治療が効かなくなったら緩和を勧める、それが規定路線。それで何ら問題はないのかも知れないの...
腫瘍内科医のひとりごと
2019年1月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 がん化学療法で、最近すこし気になることがあります。医師の治療ガイドラインの標準治療。それが最も大切で、標準治療が効かなくなったら緩和を勧める、それが規定路線。それで何ら問題はないのかも知れないの...
2018年12月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 Sさん(45歳男性、スーパーの支店長)は、胃がん手術1年後に、腹腔内のリンパ節に再発し、抗がん薬の点滴と内服治療を行った。約半年でリンパ節転移は消失し、抗がん薬治療は内服のみとなった。それから2...
2018年11月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 ある地方への旅で、その地域の中核となるZ病院が新しく出来たと聞いて、宿泊した旅館の方に話しかけてみました。旅館の方は、「建物は立派だけど、Z病院の評判は良くないのです」と言って、話し始めました。...
2018年10月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 この2年ほど前からWさん(48歳、花屋)の傍には常にスマホがあり、新聞は読まなくとも、1日10回以上もスマホを見る生活になりました。あるとき、下痢と腹痛があり、近所のA内科医院を受診しました。A...
2018年9月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 ある病院で月に1度、がん治療の相談を受けていますが、先日の相談例は衝撃でした。40歳男性、右の進行した肺がんで右肺全摘術。でも、がんは全部取り切れませんでした。胸膜に残ったがんは急速に大きくなり...
2018年8月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 内科外来診療の日、職場の健康診断で異常を指摘された方2人が初診として来られました。Oさん(65歳、男性、会社非常勤再雇用)は、とても不安そうな顔でした。「人間ドックでPSA(前立腺特異抗原)が高...
2018年7月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 Aさん(女性48歳、胃がん、主婦)は、1カ月前にS病院で胃を3分の2切除する手術を受けました。退院後に担当医から「病理診断の結果、胃に接するリンパ節に転移がありましたが、それでもステージ1です。...
2018年6月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 Sさん(45歳、男性、会社員)は、G病院外科で大腸がんの手術後、両側肺に転移があり、抗がん薬を併用したいくつかの治療法を2年間受けてきました。手術のときから経験豊富なT外科医(60歳、専門医の資...
2018年5月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 日本国内で、たばこを吸っていない人が、たばこが原因で年間1.5万人が亡くなっています。これが受動喫煙による死亡者数なのです。分煙しても、たばこの臭いを嗅いだだけで健康被害を受けるのです。喫煙者が...
2018年4月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 Sさん(68歳、男性、元公務員)は、妻Kさん(66歳)と2人暮らしでした。Kさんは4年前、肺がんで手術、化学療法、放射線治療を受けました。さらにその2年後には脳梗塞を患い、左半身麻痺となりました...