がんの薬事典

エストラサイト(一般名:エストラムスチンリン酸エステルナトリウム水和物)再燃前立腺がんの有力な選択肢、抗がん剤と女性ホルモンを結合させた治療薬

2009年3月

日本で承認され、実際に使用されている前立腺がんの治療薬は、それほど多くありません。その中で、日本での販売開始から4半世紀にわたって使われてきたのがエストラサイト(一般名エストラムスチンリン酸エステルナトリウム)です。 エストラサイトは、前立腺の組織に存在するエストラムスチン結合蛋白(EMBP)により前立腺組織に集まり、腫瘍の増殖を防ぐと同時に、抗アンドロゲン作用も示すことで高い有効性を生み出します...

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タルセバ(一般名:エルロチニブ)初めて生存期間の延長が確認された肺がん分子標的薬

2009年2月

肺がんの分子標的薬として、まず登場したのは「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)だった。「タルセバ」(一般名エルロチニブ)は、それに続く分子標的薬として2007年10月に承認され、進行・再発肺がん(非小細胞肺がん)の第2、第3次治療に用いられている。作用メカニズムはイレッサと同じだが、海外の臨床試験で生存期間の延長が認められるなど、イレッサを上回る結果を残してきた。懸念されてきた副作用、皮疹や間質性肺...

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アイエーコール(一般名:シスプラチン)医師の要望から肝臓がん動注化学療法用に開発された最強の抗がん剤

2009年1月

肝臓がんに対する化学療法の開発は遅れていますが、その中で、14年という長い開発期間を経て発売されたのが、アイエーコールです。 動注療法の適応は2004年ですが、臨床試験でも高い奏効率を得ているそうです。 今後、塞栓療法との併用や外来での治療の可能性も出てきているなど、発売から20年以上経った今でも進化を遂げている薬剤です。 肝臓がんの動注化学療法用に医師が要望 シスプラチンが日本で発売され...

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スーテント(一般名:スニチニブ)グリベックが効かなくなった消化管間質腫瘍と、切除できないまたは転移性の腎細胞がんを適応とする分子標的薬

2008年10月

消化管間質腫瘍と腎細胞がんに対する新しい抗がん剤として、ファイザー社は2008年6月13日、「スーテント」を発売した。臨床試験では、「グリベック」が効かなくなった消化管間質腫瘍の患者さんに対して、無増悪期間(がんの増殖を認めない期間)の延長が確認された。一方、切除できない、または転移性の腎細胞がんに対しても、標準治療薬であるインターフェロンと比較して生存期間の延長などが認められ、腎細胞がん治療の第...

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タイケルブ(一般名:ラパチニブ)ハーセプチンが効かなくなった患者さんに2次治療として期待される

2008年8月

乳がんの新しい分子標的薬として、承認発売が待たれている新薬がある。一般名はラパチニブである。ラパチニブは低分子化合物であり、がん細胞の内部で作用し、がん細胞の細胞増殖を止めて、アポトーシス(細胞死)を促すという作用機序(作用するシステム)だ。さらに、この新薬は多くの抗がん剤とは異なり、低分子化合物がゆえに血液脳関門を通り、脳転移した乳がんにも効果が期待されるようだ。 2つの標的に働く新しい分子標的...

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ゾラデックス(一般名:ゴセレリン酢酸塩)前立腺がんと閉経前乳がんのホルモン療法の主役

2008年5月

ゾラデックスは、前立腺がんおよび閉経前乳がんのホルモン療法に用いるLH-RHアゴニスト製剤というタイプの注射剤です。 この薬剤は、1976年にイギリスで開発され、国内では1983年より検討が行われ、91年6月に前立腺がん、94年1月に閉経前乳がんの適応を得ています。販売開始は1991年9月です。 脳に作用して男性ホルモン/女性ホルモンを抑制 LH-RH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)は、脳の視床下...

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カソデックス(一般名:ビカルタミド)前立腺がんの治療に広く使われる抗アンドロゲン薬

2008年3月

カソデックスは前立腺がんのホルモン療法に用いる抗アンドロゲン薬というタイプの抗ホルモン薬です。この薬は、イギリスでは1995年より前立腺がんの治療薬として使われています。日本では1991年より開発が開始され、1999年5月から使用できるようになりました。 よく使われている抗アンドロゲン薬 前立腺がんには、男性ホルモンのテストステロンに刺激されて病気が進むという特徴があります。抗ホルモン薬はテストス...

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アラノンジー(一般名:ネララビン)再発・難治性の白血病および悪性リンパ腫治療の新たな選択肢

2008年2月

アラノンジーは2007年12月14日に日本で保険承認されました。 これまで標準的な治療法が確立されていなかった「再発または難治性のT細胞急性リンパ性白血病(T-ALL:Acute Lymphocytic Leukemia)およびT細胞リンパ芽球性リンパ腫(T-LBL:Lympho Blastic Lymphoma)」に対して、初めて単剤での有効性が認められた抗がん剤です。 待望されていた国内発売 ...

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アイソボリン注・ロイコボリン錠(一般名:レボホリナート、またはホリナート)5-FUの効果を増強するアイソボリン、ロイコボリン。 抗悪性腫瘍“補助剤”として、現代の大腸がん治療に欠かせぬ存在

2007年11月

5種類のホリナート 大腸がんの関連学会では、ホリナートという薬剤名を耳にしないときがありません。それほど、ホリナートは現代の大腸がん治療に、欠かせない存在となっています。 それ自体は抗がん剤でなく、抗がん剤の副作用軽減や、作用増強に用いられる“補助剤”です。一般名(化学名)には、ホリナートとレボホリナートの2種類があり、商品名としてはアイソボリン、ロイコボリン、ユーゼルなどがあります。飲...

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オキシコンチン錠/オキノーム散(一般名:オキシコドン)がんの疼痛緩和に最も多く用いられる麻薬、それがオキシコドンです

2007年10月

わが国では、効果の“長い”オキシコドンとして、オキシコンチン錠(塩野義)が2003年夏に発売され、今年の2月には、効果の“短い”オキシコドンであるオキノーム散(同社)も発売されました。 待たされましたが、やっと“長・短”の両方が揃って安心です。 長時間型と短時間型の使い分け がん患者さんの体の痛み(疼痛)は、1日中継続する“持続痛”と、その上さらに痛みが増す“突発痛”とに分けられます。これらに対...

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