がんの薬事典

ヴォトリエント(一般名:パゾパニブ)悪性軟部腫瘍の治療に新たに加わった期待の分子標的薬

2013年1月

悪性軟部腫瘍(軟部肉腫)に対する新たな薬剤が、2012年の9月に厚生労働省から承認されました。分子標的薬のヴォトリエントです。国内に3000人という希少ながんですが、国際的な多施設共同臨床試験が行われ、米国では2012年4月に、欧州では8月に、化学療法の治療歴のある進行性悪性軟部腫瘍の患者さんに対して認可されました。手術ができない場合の治療に期待の新薬■図1 ヴォトリエントの効果悪性軟部腫瘍は筋肉...

詳細はこちら

インライタ(一般名:アキシチニブ)転移性腎細胞がんの2次治療を変える最新の分子標的薬

2012年12月

近年、新薬の登場で、転移性腎細胞がんの薬物療法は変わり続けてきました。今年は、新たな分子標的薬「インライタ」が登場。2次治療の臨床試験では、がんが悪化しない期間(無増悪生存期間)でも、腫瘍を縮小する効果を示す奏効率でも、インライタが従来の薬剤であるネクサバールを上回りました。この薬の登場で選択肢が増え、腎細胞がんの2次治療が変わります。細胞の増殖や血管新生を強力にブロック腎細胞がんの治療は手術が基...

詳細はこちら

アフィニトール(一般名:エベロリムス)日本で最初の膵神経内分泌腫瘍の治療薬

2012年11月

米アップル社のスティーブ・ジョブズさんが罹患したことで知られる「膵神経内分泌腫瘍」は、最近まで有効な治療薬がありませんでした。日本では、昨年末にようやく膵神経内分泌腫瘍を適応症とする治療薬「アフィニトール」が登場しました。病名の認知度向上など、この病気を取巻く課題は山積ですが、治療の選択肢が広がったことは患者さんにとって朗報です。ホルモンを分泌する膵臓内の細胞にできるがん■図1 膵内分泌腫瘍とは膵...

詳細はこちら

ミリプラ(一般名:ミリプラチン)がんにとどまり効果を発揮。肝動脈化学塞栓療法の新しい抗がん剤

2012年10月

肝がんには、肝動脈化学塞栓療法という治療法があります。肝動脈にカテーテルを送り込んで、がんの近くから抗がん剤を注入した後、ゼラチン粒などの塞栓物質で血流を遮断する治療法です。がんを抗がん剤漬けにし、さらに新たな血液が流れ込まないようにするのです。この治療のために開発された抗がん剤「ミリプラ」は、がんに長くとどまることができ、じわじわと効果を発揮します。肝がんを対象に行われるカテーテルを使った治療[...

詳細はこちら

ザーコリ(一般名:クリゾチニブ)ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに期待の新薬

2012年9月

進行・再発非小細胞肺がんの治療薬にザーコリという新しい薬が登場しました。 この薬には、ALK融合遺伝子をもつがんに効果的な薬剤として世界で注目が集まっています。 日本では今年3月に、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対して適応が認められ、期待どおりの効果を上げています。 肺がん治療に新たな薬剤 [クリゾチニブの作用] 肺がんに対して高い効果を期待できる分子標的薬のザーコ...

詳細はこちら

ランマーク(一般名:デノスマブ)がんの骨転移による骨病変を管理する新薬

2012年8月

乳がん、前立腺がん、肺がんなどのがんでは、骨への転移が起こり易く、その管理が重要です。 骨転移があると、骨に激しい痛みが発生したり、骨折が起きたりすることで、患者さんのQOL(生活の質)は著しく低下します。こうした事態を防ぐため、新たな治療薬「ランマーク」が登場しました。骨病変の薬としては初めての分子標的薬で、その優れた効果が注目を集めています。 がんによる骨の病変で多くの人が苦しんでいるがんによ...

詳細はこちら

フェソロデックス(一般名:フルべストラント)閉経後の進行・再発乳がん治療の新しいホルモン剤

2012年7月

昨年、閉経後の進行・再発乳がんのホルモン療法に新薬が登場しました。 この薬は、既存のホルモン剤と異なる作用も備えているため、腫瘍の増殖や転移を防ぐ効果が期待されています。同時に、薬剤耐性を生じにくい可能性をもつ薬剤として、すでに別のホルモン剤による治療を受けた患者さんの2 次治療として、有力な選択肢となっています。 閉経後ホルモン療法の2 次治療に新たな選択肢大部分の乳がんはがん細胞内にエストロゲ...

詳細はこちら

サンドスタチン LAR(一般名:オクトレオチド酢酸塩徐放性製剤)月1回の注射で消化管神経内分泌腫瘍の進行を抑制

2012年6月

消化管神経内分泌腫瘍は、特徴的な症状がなく、比較的まれな疾患であるために診断が遅れることがあり、腫瘍が発見されたときには進行・転移していて、治療の第1 選択である手術ができないということも少なくありません。 サンドスタチン LARはこのような手術ができない患者さんに対する進行抑制効果が確認された、はじめての薬剤です。有効な治療がなかった進行性神経内分泌腫瘍サンドスタチン LARの有効成分であるソマ...

詳細はこちら

カイトリル(一般名:グラニセトロン塩酸塩)放射線治療による悪心・嘔吐にも使える制吐薬

2012年5月

カイトリルは発売からすでに20年の歴史をもつ制吐薬で、これまでは主に抗がん剤治療に伴う悪心・嘔吐を抑える薬として活躍してきました。そこへ、昨年12月、この薬の新たな適応として、放射線照射に伴う悪心・嘔吐が加わったのです。 これまで適当な制吐薬がなかったこの分野に光が当たり、放射線治療を受ける患者さんのQOL向上が期待されています。放射線治療で使えるようになったカイトリルは新しい薬ではありません。こ...

詳細はこちら

ビダーザ(一般名:アザシチジン)治療の難しかった骨髄異形成症候群で初めて生存期間を延長

2012年3月

骨髄異形成症候群(MDS)は、一部の患者さんで白血病へ移行する難治性の疾患です。日本では難病に指定され、約9,000人の患者さんがいます。完全治癒を目指すには骨髄移植が唯一の方法であり、移植ができない場合は症状緩和を目的に、輸血や抗がん剤などの治療が行われます。新しく登場したビダーザは、骨髄異形成症候群の生存期間を延ばした初めての抗がん剤として注目されています。正常な血液細胞が減少する骨髄異形成症...

詳細はこちら

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート10月 掲載記事更新!