アバスチン(一般名:ベバシズマブ)転移・再発乳がんに大きなインパクト
2012年2月
大腸がんや肺がんに使用されていたアバスチンが、転移・再発乳がんでも適応を取得しました。海外の臨床試験では、がんの進行を抑えた期間(無増悪生存期間)がこれまで使用されていたタキソールに加えると約2倍に延びたという結果が得られています。さらに、これまで決め手がなかったトリプルネガティブやホルモン剤無効後のホルモン陽性乳がんへの効果を示す結果も出ています。転移・再発乳がんに適応を拡大アバスチン(*)は、...
がんの薬事典
2012年2月
大腸がんや肺がんに使用されていたアバスチンが、転移・再発乳がんでも適応を取得しました。海外の臨床試験では、がんの進行を抑えた期間(無増悪生存期間)がこれまで使用されていたタキソールに加えると約2倍に延びたという結果が得られています。さらに、これまで決め手がなかったトリプルネガティブやホルモン剤無効後のホルモン陽性乳がんへの効果を示す結果も出ています。転移・再発乳がんに適応を拡大アバスチン(*)は、...
2012年1月
トレアキシンが使われるのは、悪性リンパ腫のなかの「低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫」と「マントル細胞リンパ腫」に対してです。腫瘍を縮小する効果が強く、完全寛解率が高いのが特徴で、国内で行われた臨床試験で、無増悪生存期間が延びることが確認されました。標準的治療を受けて再発した患者さんや、標準的治療が効かなかった患者さんの治療として、注目されています。東ドイツで開発された古くて新しい抗がん剤トレアキ...
2011年12月
悪性リンパ腫の1種である「皮膚T細胞性リンパ腫」は、患者数が少ないこともあり、わが国では新しく開発される薬がほとんどありませんでした。希少疾病医薬品に指定されたゾリンザは、他の抗がん剤にはない特有の作用をもち、この難治性の病気に効果を発揮します。治療法がなかった患者さんにとって朗報です。悪性リンパ腫の1種で患者数は非常に少ない今年の7月にゾリンザ(*)という新しい抗がん剤が承認され、9月に発売にな...
2011年11月
これまで、抗がん剤の副作用による手足のしびれや痛みに対しては、決定的な治療法がありませんでした。リリカは、このような、末梢神経障害による痛みに対して効果が認められた、世界初の薬剤です。リリカの登場により、痛みの治療の選択肢が広がりました。痛みを早期に発見、早期に対処すれば、痛みを気にすることなく、本来のがんの治療に立ち向かうことができるのです。末梢神経障害による痛みに有効な、世界初の薬剤痛みには2...
2011年10月
手術不能・再発乳がんの患者さんに対しては、現在、標準治療とされているアンスラサイクリン系抗がん剤やタキサン系抗がん剤を使用し、効果が得られなかった、もしくは再発してしまった場合、これまでは「確実な次の一手」がない状況でした。2011年7月に発売されたハラヴェンは、この「次の一手」となる乳がんの新しい抗がん剤として大いに期待されています。生存期間を延長し、副作用は従来と変わらず [エリブリン単剤治療...
2011年8月
乳がんや結腸・直腸がんなどの治療に使われてきたゼローダが、進行・再発胃がんの治療に使えるようになりました。3段ロケット方式でがんを狙い撃ちするという特徴を持ち、これまでの進行・再発胃がんの標準治療薬であるTS-1に比べて副作用が軽いのも特筆すべきことです。患者さんにとって新たな治療の選択肢が増えたことは、大きな朗報といえるでしょう。 正常細胞には作用せず腫瘍部分で5-FUに変わるゼローダ(*)は、...
2011年7月
予後が悪いといわれるHER2 陽性乳がんの薬は、これまでハーセプチンしかないのが現実でした。そこに登場したのがタイケルブです。ハーセプチンと同じHER2タンパクを標的とする薬ですが、標的とする部位が異なるため、ハーセプチンが効果不十分の患者さんへの効果が期待されています。HER2陽性乳がんの新たな選択肢HER2陽性乳がんとは、がん細胞の中にHER2タンパクがたくさんあるタイプの乳がんのことです。採...
2011年5月
血液がんの一種「骨髄異形成症候群」では、代表的な症状として難治性の貧血が起こることがあります。その治療に輸血が繰り返されると、体内に鉄が蓄積して慢性鉄過剰症が発症します。余分な鉄を排泄する必要がありますが、従来使われてきた注射剤は毎日打つ必要があり、治療を継続するのがきわめて困難でした。エクジェイドは、1日1回の服用で、すぐれた鉄の排泄作用を発揮します。輸血で体内に入った鉄は排泄されずに蓄積する鉄...
2011年4月
イムシストの膀胱内注入療法は、膀胱がんのほぼ8割を占める筋層非浸潤性膀胱がんの治療に効果があるとして、03年から行われてきました。内視鏡手術後の再発予防に関しては、近年実施された臨床試験により、手術後だけに行うよりも、間隔をあけながら1年半後まで続けるほうが、再発予防効果が高いことが明らかになりました。昨年8月から、この使用方法が保険で認められています。BCG ワクチンが膀胱がんに効く結核を予防す...
2011年3月
長い間、日本における進行性腎細胞がんの治療はインターフェロンが中心でした。ここ数年、立て続けに新しい薬剤が発売され、進行性腎細胞がんの治療が激変してきています。 2010年9月に発売されたトーリセルは、1番新しい進行性腎細胞がんの薬剤です。海外で行われた臨床試験の結果では、状態が厳しい患者さんにとって希望の持てる結果が得られています。 進行性腎細胞がんで生存期間が延びた初の薬 トーリセルは、mTO...