2005年10月
北海道がんセンター 統合診療部長の 西尾正道さん 耐用線量と分割照射 放射線でがん病巣をたたくには、放射線をたくさんかければかけるほどがん細胞が死滅しやすい。だから治療効果を上げるには、放射線をたくさんかけることだ。しかし、たくさんかけすぎるとがん細胞ばかりか、正常組織もダメージを受け、障害が出てくる。ここが放射線治療の難しいところである。 そこで、正常組織や臓器で障害が出ない範囲の、ぎりぎ...
2005年10月
京都大学大学院医学研究科 放射線腫瘍学 ・画像応用治療学講師の 溝脇尚志さん みぞわき たかし 京都大学大学院医学研究科放射線腫瘍学・画像応用治療学講師。 1964年、京都大学医学部を卒業。 同大付属病院、田附興風会北野病院の放射線科で研修を受けた後、同大大学院医学研究科博士課程へ。 博士過程修了の後、天理よろづ相談所病院、同大放射線科助手、メモリアル・スローン・ケタリング・がんセンター医学物理...
2005年10月
国立がん研究センター東病院 陽子線治療部部長の 荻野 尚さん おぎの たかし 1956年新潟県生まれ。 千葉大学医学部卒業後、1985年より国立がん研究センターに勤務し、放射線治療を専門にしている。 現在、千葉県柏市の国立がん研究センター東病院で、主として陽子線治療に携わっている。 日本医学放射線学会専門医。日本放射線腫瘍学会認定医 病巣にのみ集中的に放射線を当てる画期的な治療法 国内初の回転...
2005年10月
やました こうすけ 神奈川県立がんセンター放射線治療科医長。 1956年東京生まれ。 81年防衛医科大学医学部卒業。 各地の自衛隊病院、国立がん研究センター等を経て現職。放射線治療に関する啓蒙活動を行いながら、患者側の視点やQOLを大切にした医療をめざす 神奈川県立がんセンター 放射線治療科医長の 山下浩介さん 放射線治療ってこわいもの?照射法や機器の発達により、昔のような副作用は減っています放...
2005年10月
浅ノ川総合病院 脳神経外科部長の 大西寛明さん 昨年9月、石川県金沢市の浅ノ川総合病院はノバリスの日本第1号機を導入した。 ノバリスは、ドイツのブレインラボ社が、定位放射線治療用に開発した高精度・多機能のX線発生装置のリニアックである。IMRT(強度変調放射線治療)の機能のほか、いろいろな方向から照射する複数のビームを瞬時に腫瘍の形に一致させ、正常組織をさけて照射するなどの機能も備わっている...
2005年10月
北大病院放射線部助教授の 白土博樹さん 肺がんや肝臓がんなどの腫瘍は、息を吸ったり、吐いたりするたびに動いて、その位置が変わる。横隔膜の近くにできた肺がんだと3センチもの振幅があるといわれる。前立腺がんなどの腫瘍は、腸が便を押し出そうとする動きに伴ってその位置が変わる。そのため、例えば直径1センチの肺がんで呼吸のたびに左右に1.5センチの振幅がある場合、腫瘍を含む4センチ程度に放射線を照射...
2005年3月
頭部への照射の準備をしているところ 患者の顔をマスクで覆って固定する 通常の放射線治療では、患部の周りの正常な部分も含めて、広い範囲に放射線を当てることになるため、副作用が出たり、充分に治療ができない場合があります。これに対して、放射線を1点に集中させることで、正常な部分を避けて、患部のみに照射を行うことのできる放射線装置があります。その代表として挙げられるのが、主に脳腫瘍の治療に使われる「ガン...
2004年7月
正常細胞を避けがん細胞のみを攻撃。奏効率は手術にも匹敵する 放射線医学総合研究所重粒子線医科学センター長の辻井博彦さん 重粒子線治療によるさまざまな利点 臨床試験の対象となる特定のがん患者しか受けられなかった重粒子線治療が、昨年(2003年)11月、厚生労働省から*高度先進医療の承認を受け、広く一般のがん患者へ解禁されることとなった。まず、(1)頭頸部がんと(2)骨軟部腫瘍、(3)肺がん、(4...