2010年6月
順天堂大学医学部付属 順天堂医院呼吸器外科教授の 鈴木健司さん 現在、肺がんの手術は「肺葉切除」が国際的な標準治療となっている。 最近は、さらに切除範囲を小さくした縮小手術の技術が進歩し、患者さんの手術負担が軽減されている。 この縮小手術は、どんなメリットがあるのだろうか。 入院期間が短縮し早期の社会復帰も可能に 肺がんの治癒を目指す中心的な治療法は、手術です。治癒を目指す手術が可能なのは、肺...
2010年1月
大阪市立総合医療センター 臨床腫瘍センター長・ 臨床腫瘍科部長の 武田晃司さん 以前は治療を行わない場合も少なくなかった高齢者の化学療法が変わってきている。 高齢の患者さんがもつ合併症と、副作用を考慮しながら、QOL(生活の質)を重視し、無理のない化学療法が行われている。 若年者と同じように、抗がん剤を併用する臨床試験も実施中で、生存期間の向上が証明され始めた。 高齢者とは何歳以上? がん治療に...
2010年1月
国立がん研究センター東病院 呼吸器外科医長の 吉田純司さん 死亡数第1位の肺がんは、依然増え続けている。 検査法も治療法も著しい進歩をとげているが、検査や治療を受けるときには、効果だけでなく、危険が伴うことも忘れないようにしたい。 自分が受ける検査や治療は、どのような効果があり、どのような危険があるのか。事前に、しっかりと把握しておくことが大切だ。 日本の肺がんはまだ増え続ける 日本では、肺がん...
2009年12月
東京女子医科大学医学部 第1外科学講座・ 呼吸器外科主任教授の 大貫恭正さん 肺腫瘍を胸腔鏡下で最小限に切除する。そんな高度な手術が、可能になった。3次元のCG(コンピュータグラフィック)画像の開発により、病巣部を血管や気管支が取り巻いている様子を立体的に掌握できるようになったからだ。 3次元による画像で血管や気管支の位置を確認しながら胸腔鏡下手術を行う 手術開始から2時間半を経過し...
2009年7月
国立がん研究センター中央病院 肺内科医長の 久保田馨さん 他のがんと異なり、どの組織ががんになったかによって、いくつかのタイプに分けられる肺がん。 当然タイプによってがんの性質も違い、治療法も異なってくる。 今、その肺がんの組織型によって、どの抗がん剤がより効果を示すのかがわかってきた――。 手術不能でも組織型別の化学療法で成績アップ 肺がんは早期発見が難しく、手術不能の段階で見つかることが多い...
2009年1月
岡山大学医学部 放射線科教授の 金澤右さん ラジオ波治療は、体に対する侵襲が少なく、臓器の損傷を最低限にとどめて繰り返し治療ができるのが大きな利点。すでに早期の肝がんでは標準治療の1つとして認められていますが、最近では他のがんでも有望な局所治療法として期待されています。 中でも、早くから肺がん治療への応用を研究してきたのが、岡山大学医学部放射線科教授の金澤右さんです。世界でも最多の治療例を持...
2008年12月
福岡大学医学部呼吸器・ 乳腺内分泌・小児外科教授・ 診療部長の岩崎昭憲さん 内視鏡下外科手術は、一般の手術に比べて傷が小さく、体への負担も少ないことから、最近はさまざまながん治療に利用されています。肺がんでも、早期がんを対象に胸腔鏡下の手術が普及しつつあります。 しかし、内視鏡下外科手術には手術を行う医師の技術格差も大きいと言われます。早くから胸腔鏡下の肺がん手術に取り組み、安全性の向上に貢献し...
2008年7月
北里大学 呼吸器外科名誉教授の 吉村博邦さん 肺がんは、がんの中でも難治がんといわれ、1955年以降肺がん死は増えつづけています。 しかし、一方で新たな治療薬が開発され、治療法も進歩しています。これを科学的に評価する大規模臨床試験も次々に行われています。 こうした結果を元に、『EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2005年版』が作成されました。このガイドラインにもとづき、北里大学医学部...
2008年7月
東京医科大学病院 呼吸器外科准教授の 坪井正博さん 肺と肺に囲まれた「縦隔」と呼ばれる部位には、さまざまな種類の腫瘍が発生する。それを総称して、縦隔腫瘍と呼ばれる。 多くは良性だが、がん治療の対象となる悪性のものが出現する例もあり甘く見ることはできない。 その腫瘍について、これだけは知っておきたい。 吉田美和のパートナーを奪ったがん [縦隔とは] ドリームズ・カム・トゥルーのヴォーカ...
2008年7月
近畿大学医学部 放射線医学教室教授の 西村恭昌さん 放射線は線量が多ければ多いほど、がん細胞を死滅できる。 しかし、正常細胞にも放射線が当たり合併症の原因になるため放射線を当てる線量にはおのずと限界がある。 近年、放射線治療は、3次元放射線治療や高精度照射法に加え、化学療法との組み合わせで手術と遜色ない成果をあげ、その進歩には目を見張るものがある。早期肺がんでは高い治癒率が期待できる放射...