腫瘍内科医のひとりごと 149 母への告知
2023年5月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 73歳の母は子宮がんで、すでに骨転移がありました。ある病院で、息子さん(42歳)が担当医に話したことです。 どれだけ真実を知らせるかは、息子の私に任せて 「母の病状については、正確に、私に話して...
コラム・レポート
2023年5月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 73歳の母は子宮がんで、すでに骨転移がありました。ある病院で、息子さん(42歳)が担当医に話したことです。 どれだけ真実を知らせるかは、息子の私に任せて 「母の病状については、正確に、私に話して...
2023年4月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 Bさん(54歳 女性 乳がん)は、とうとう緩和ケア病棟に入ることになりました。それは、Bさんが目標にしていた、やっとたどり着く場所でした。定期の診察で、今回の骨シンチを見せていただくと、骨への転...
2023年3月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 最近の胃がんの診療では、内視鏡検査で、「AI(人工知能)が生検する場所を指示してくれる技術」、手術では、「ロボット技術で、大きく開腹しないですむこと」などがトピックとしてあげられてきました。 胃...
2023年2月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 毎朝の早い出勤がなくなったためか、この1カ月、排便がすっきりしない。弱い下剤を飲んでみても、どうも同じだ。左下腹部がときどき痛み、ときにむかむかするのは下剤のためかはわからない。 下腹部痛は強く...
2023年1月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 私が、がん治療を専門として50年になります。大学卒業後2年目、私は青森県のある病院で急性白血病の患者を受け持っていました。患者の病状が一進一退している頃、青函トンネル工事現場を、日曜日に何回か見...
2022年12月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 Bさん(45歳 男性)は、この夏頃からなんとなくむかむかする感じがあり、近くのG胃腸科を受診し、胃内視鏡検査を受けました。その結果、「胃に2㎝くらいのすこし盛り上がった所が2カ所あり、早期胃がん...
2022年11月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 2日、雨の日が続きました。狭い庭の畑にキノコの塊を3カ所見つけました。昨日までは、確かにまったくなかったのです。砂利の中にごっそり生えています。ネットの写真では、食べられるのか、食べられないのか...
2022年10月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 コロナ流行が続いてもう3年になります。マスク、手の消毒はやっても、人流を制限しないで、本当に大丈夫なのだろうか? 特効薬はなく、亡くなる方もたくさんおられ、毎日、夕方の感染状況の報告が気になりま...
2022年9月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 これはAさん(63歳、男性)のお話です。会社を退職した後、ひとり、庭のわずかな畑で野菜を作り、毎日山を眺めて過ごしています。今年は畑にメロン、スイカ、カボチャを植えました。庭から続く坂を下りると...
2022年8月
ささき つねお 1945年山形県出身。青森県立中央病院、国立がんセンターを経て75年都立駒込病院化学療法科。現在、がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長。著書に『がんを生きる』(講談社現代新書)など多数 Aさん66歳男性、進行肺がんと診断され、がんの塊は両側の肺に認め、手術は無理で、薬物治療となりました。抗がん薬治療では、3~4週を1サイクルとして、4クールの予定で開始されましたが、最初の1クー...