2004年10月
いずみ あき1950年、愛知県生まれ。1967年「恋はハートで」で歌手デビュー。22歳の時に、落語家の桂菊丸さんと結婚し、その後もタレントとして、テレビなどで活躍。1997年、乳がんと診断され、乳房の4分の1を切り取る手術を受ける。退院後、約3カ月で、夫の菊丸さんと共にマウイマラソンに出場し、見事完走。現在も、歌手活動を始め、テレビのレポーターやコメンテーター、講演活動など、多岐に渡り活躍中。 ...
2004年10月
海老原 敏さん (医師・国立がん研究センター東病院名誉院長) えびはら さとし 1938年生まれ、東京都出身。 群馬大学医学部卒業。 インターン終了後、国立がん研究センターに勤務。 頭頸部がんの専門家として機能温存手術の発展に努め、1995年、がんセンター東病院の院長に就任。 2004年1月退任し、現在は名誉院長。 7月、都内にがん専門の診療所「蕩蕩」を開設。 1986年、大腸がんを発病し、87...
2004年10月
人工肛門でフルマラソン 宮部信幸さん (みやべのぶゆき) マラソンランナー、会社員 6月下旬の昼下がり、待ち合わせ場所の駅の改札口は蒸し暑かった。 そこへ宮部信幸さん(50歳)が、小さなリュックをかついで現れた。短く整えた髪、ラコステのスポーツシャツにスラックス、スニーカーというスタイルは、今にも走り出しそうな軽快さだ。日焼けした小柄な身体に、満面の笑顔がまぶしい。 7年前、直腸が...
2004年9月
笑福亭小松さんしょうふくていこまつ・落語家 7年前に末期の胃がんで胃と膵臓を全摘出、膵臓の半分も摘出するという大手術を受けた笑福亭小松さん。手術後になされたがん宣告のショックで泣き通した。ふがいない自分に身の置き場がなかった。しかし、病床で読みあさった山頭火の詩集が一条の光をもたらすいつまでもメソメソしてはいられない。最後くらいあっぱれに死んでいったぞと子供達に見せてやる。小松さんは独り、日本列...
2004年9月
なかみぞ ゆうこ1965年、滋賀県生まれ。88年女子プロテストに合格し、女子プロゴルフ協会入会。90年宝インビテーショナル16位、91年東洋水産レディース13位などの成績を残す。91年、骨髄異形成症候群と診断。妹と白血球の型が一致し、97年骨髄移植を受けたが、GVHD(移植片対宿主病)のため、食道と口の粘膜に障害が強く現れ、移植後2年4カ月に及ぶ長期入院生活となる現在は復帰に向けて準備する一方、講...
2004年9月
おとなし みきこ1949年、東京都生まれ。17歳で劇団「若草」に入り、71年、TBSのドラマ「お登勢」のヒロインに抜擢されて脚光を浴び、人気女優に。76年、俳優の村井国夫さんと結婚。87年、乳がんが見つかり、全摘手術を受ける。その後、病気を隠し続けていたことなどが引き金になり抑鬱状態に。約半年後に回復し、女優業に復帰した。2004年5月、村井さんとの共著で『妻の乳房「乳がん」と歩いた二人の十六年』...
2004年8月
渡辺 和博 わたなべ かずひろ 1950年広島県生まれ。 伝説の漫画誌『ガロ』の編集長を経てフリーランスのイラストレーターとして活躍。 時代を鋭く斬るエッセイにも定評がある。 著書に『金塊巻(きんこんかん)』(主婦の友社)『平成ニッポンのお金持ちとビンボー人』(扶桑社)など。2004年4月に発売された肝臓がんの体験記『キン・コン・ガン』(二玄社)が話題になっている。 がんと聞けばたいて...
2004年8月
癌抱の男 福島登さん 詩人 その日、春風の中、私は京都・四条大宮の駅前でジャーナリスト・柴野徹夫さんの車に拾ってもらった。黒っぽいセダンに乗り込みながら、初対面の挨拶を交わす。2回り離れた物書きの先輩が、取材の案内役を買って出てくれた。 柴野さんは2003年4月、詩人・福島登さん(73歳)の初めての詩集『すずかけの樹』(つむぎ出版)を世に送り出した。ハンドルを切りながら、柴野さんがバリ...
2004年8月
多田慎一さん (会社員) ただ しんいち 1949年、山形県生まれ。 73年、日本光学工業株式会社(現・株式会社ニコン)に入社後、一貫して情報システム関係の仕事を担当。 2004年4月から株式会社ニコン技術工房に出向。 6月から同社代表取締役。 趣味は登山とランニングと碁。 2002年、健康診断で胃がんが見つかり、同年12月に手術で胃の3分の2を切除。 初期のがんで転移もなく、手術後、医師は“完...
2004年7月
ピンクの頬紅 広野光子さん 患者会「金つなぎの会」代表 3月下旬の夕方。 近鉄・名張の駅前には、見上げるほど大きな桜の木が堂々とした風格で咲き初めていた。 ところが、現れた広野光子さん(63歳)は、すでにほどよく咲き誇った桜のような人だった。 頬からこめかみにかけて、鮮やかなピンクのほお紅を差している。同じ色のセーターに、品のいいグレーのジャケット姿だ。あごの線で切りそろえた...