造血幹細胞移植患者のリハビリは「継続する」ことが大切
2016年2月
「リハビリはできる範囲でよいので続けて行うことが大切です」と語る石川愛子さん 造血幹細胞移植とは、患者のがん細胞を根絶するため、大量の抗がん薬と放射線治療を組み合わせた非常に強力な治療法となるが、その一方で問題となるのが移植後の身体機能の低下だ。「移植は成功したが、寝たきりになってしまった」では、何のための治療かわからない。そこで今、重要性が指摘されているのが、造血幹細胞移植患者に対するリハビリテ...
血液がん
2016年2月
「リハビリはできる範囲でよいので続けて行うことが大切です」と語る石川愛子さん 造血幹細胞移植とは、患者のがん細胞を根絶するため、大量の抗がん薬と放射線治療を組み合わせた非常に強力な治療法となるが、その一方で問題となるのが移植後の身体機能の低下だ。「移植は成功したが、寝たきりになってしまった」では、何のための治療かわからない。そこで今、重要性が指摘されているのが、造血幹細胞移植患者に対するリハビリテ...
2016年2月
「多発性骨髄腫は今後も新薬が登場し、治療の進歩はまだまだ続いていきます」と語る今井陽一さん 多発性骨髄腫(MM)は高齢者に多く、40歳未満では稀な病気。国内では年間に10万人あたり2、3人が罹患するといわれている。サレド、ベルケイド、レブラミドなどの治療薬で治療法は大きく進み、さらなる新薬が相次いで登場。治療の選択肢が広がり、病気と共存する時代になりつつある。 異常なタンパク質を作り 骨病変などの...
2016年2月
「緊急受診時は、血栓症リスクの高い使用薬をまず伝えていただきたい」と話す岡元るみ子さん 血液がんの治療薬には、血栓症リスクを高める治療薬があり、また、高齢者に多い脳血管障害対策の抗凝固薬のワルファリンとの相互増強作用に配慮が必要なものもある。治療に際し、どのような対策が必要なのだろうか。そもそも、がんと診断され、治療を行うこと自体で血栓症のリスクが高くなるという、その基本事項から解説する。 がんの...
2016年2月
「B細胞性リンパ腫では、病型によって新たな治療法の開発が進んでいます」と語る丸山 大さん 悪性リンパ腫は種類が多く、治療選択もそれぞれで異なる。近年は新薬の開発が進むとともに、薬剤の組み合わせ、さらに投薬スケジュールの工夫など様々な取り組みが行われている。今回はB細胞性リンパ腫の中のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)の最新治療につ...
2015年8月
「小児がんの再発治療を確立していくことが重要です」と話す河本 博さん 小児がんは子どもがかかるがんの総称だが、希少がんということで治療法の開発が遅れてきた分野だ。しかし、近年では医師主導型の臨床試験が立ち上がるなど新しい動きが出ている。その先端にいる専門医に小児がんの新たな取り組みについて聞いた。 小児がんの罹患数は年間約2,000人弱 表1 小児がん特有の主な疾患 子どもが罹患する様々ながんを総...
2015年7月
合併症の管理を頑張ることが完治につながる福田隆浩さん 国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科科長 造血幹細胞移植は化学療法では治らない症例が対象で、完治が期待されるという大きなメリットがあります。合併症が多いことが問題ではありますが、その発症を抑えられれば、治療成績は上がります。多くのがんでは新しい抗がん薬が開発されると治療成績が上がりますが、移植の世界では合併症の管理をしっかりすること...
2015年6月
日本赤十字社医療センター副院長の鈴木憲史さん種類も治療法も多岐にわたる血液のがん。新しい治療薬の登場で、一昔前に比べて生存率も飛躍的に高まってきている。同時に解決を必要とする課題もまだ多く残されている。血液がんの基礎的な知識のまとめと、最近の話題を拾った。 血液がんの特徴 血液がんには多くの種類があります。性質も様々ですが、一番特徴的な白血病で見ると、皮膚や臓器にできるがん(固形がん)とは異なった...
2015年6月
「今回の調査は患者さんの声という意味でとても貴重なものだと思います」と語る黒澤彩子さん新薬や移植などの治療法の改善により、白血病などの血液疾患を完治させるケースも増えており、最近ではいかに治療を終えた後のQOL(生活の質)を維持することができるかが問われるようになってきた。そうした中、国立がん研究センター中央病院造血幹細胞移植科では、急性白血病患者さんを対象に治療後のQOL調査を実施。回答内容を吟...
2015年6月
「患者さんに合わせて、上手に薬剤を使っていくことが大事となってきます」と語る鈴木憲史さん慢性骨髄性白血病(CML)は、近年の分子標的薬の登場で治療法が目覚しく進歩している。昨年(2014年)新たに2次治療、3次治療に有効なボスチニブが加わり、他にも新規薬剤の登場が待たれているが、完全治癒により薬を服用し続けなくてもよい時代の到来も決して夢ではなくなってきた。 画期的だったイマチニブの登場 CMLは...
2015年6月
「骨髄異形成症候群は、リスクに応じた治療戦略が大切です」と語る原田浩徳さん正常な血液細胞が造られなくなる病気である骨髄異形成症候群(MDS)。完治させる唯一の治療法は造血幹細胞移植だが、たとえ造血幹細胞移植ができなくても、新たな薬の登場で、治療オプションは広がってきている。 血液を造る能力が低下し 白血病へと進行する病気 骨髄異形成症候群は、正常な血液細胞が造られなくなる病気である。この病気が発見...