2012年8月
術前化学療法の 有効性について詳しい 海瀬博史さん 乳房温存手術が難しい比較的大きながんをもつ患者さんに行われる術前化学療法。術前化学療法は、術後化学療法と比べて、「乳房温存率の向上」と「わずか半年の化学療法で10年後をある程度予想できる」という大きなメリットが確認された。 また、ハーセプチンの登場後、新しい治療薬の開発が進み、医療現場での実用化はそう遠くはないと見られている。術前でも術後でも生存...
2012年7月
腫瘍内科医の第一人者である 渡辺亨さん 昨年9月、進行・再発乳がん治療に加わったアバスチン+パクリタキセル療法。 乳がんの進行を長く抑えることが明らかになった一方、今後重要になってくるのが副作用への対策だ。 治療を長く継続するためにもいかに副作用を抑えるか──チーム医療を実践している浜松オンコロジーセンターに話を伺った。 外来での投与が可能昨年から、乳がんの治療に ...
2012年3月
乳がんの薬物療法に精通している 高橋將人さん 乳がんの患者さんにとって、薬物療法は非常に重要な治療である。ただ、時と場合、がんの生物学的な性質によって治療の仕方を変える必要がある。そこに注意しながら、解説をみてみよう。がんの生物学的性質を重視して治療法を選択 [治療の目標と考え方] 初期治療 転移・再発治療 がんになって最初に行う治療 再発を防ぐ ...
2012年3月
乳がん治療に精通している 猿丸修平さん 日本女性の16人に1人がなるとされている乳がん。しかも、乳がんの罹患者数は増え続けています。そんな患者さんのために、乳がんとは何か、乳がんのいちばんの基本から、わかりやすく解説しましょう。 Q 乳がんってどこにできるの?乳腺組織に発生したがんのことを乳がんという。ほとんどの乳がんは、小葉のそばにある乳管の上皮細胞が増殖して発生する。 がんは乳管の内側で発生...
2012年3月
「自分に合ったよりよい治療を行うには、 医療者とよく相談することが大切です」 と話す 津川浩一郎さん 乳がんも個別化治療の時代に突入しました。 閉経後乳がんの個別化治療として、ホルモン療法のアロマターゼ阻害剤がキードラッグの1つとなっています。ホルモン受容体陽性乳がんの個別化治療ホルモン受容体陽性乳がんでは一般に腫瘍細胞のエストロゲン受容体にエストロゲンが結合することで増殖、進行します。実際には、...
2012年3月
乳がんの学会として、国際的に、もっとも有名な学会の1つサンアントニオ乳がんシンポジウム。進行・転移性乳がんに対して、有望な治療成績が相次いで発表された。新たな標準治療となる可能性も出てきた。実臨床が変わる可能性HER2陽性の進行・転移性乳がんで、実臨床が変わる可能性が出てきた。その可能性をもたらしたのが、クレオパトラと呼ばれる多施設で行われた国際共同試験(第3相臨床試験)だ。 この試験の対象は、「...
2012年3月
骨転移治療は いろいろな方法があるので、 あきらめないでほしいと語る 村岡篤さん ビスホスホネート製剤の登場で、骨転移による痛みはかなりコントロールできるようになった。ただ、ここで重要なのが、いかに副作用に気をつけながら、骨転移とうまく付き合っていくかということ。骨転移をしても治療をうまく乗り切るコツとは? 約3割に骨転移 [乳がんが骨転移しやすい部位] がんという病気は、進行する過程で転移を起...
2012年3月
ガンマナイフ治療の第一人者、 林基弘さん 乳がんの手術の2年半後に脳転移に見舞れた乳がん患者の石見雅美さん。その脳転移の治療に彼女は、治療後の生活を優先して、ガンマナイフによる治療法を選択した。その治療の現場を取材した。 医師と治療に全幅の信頼 治療後、笑顔の石見さん。今後は石見さんの全身のフォローが上手くできれば、以前と変わりない生活を送ることができるという 昨年11月中旬のある日^...
2012年3月
乳がん治療の オピニオンリーダーとして著名な 岩田広治さん 閉経後進行再発乳がんのホルモン療法に、これまでとは作用の仕方が異なる治療薬が登場した。エストロゲン受容体そのものを減少させるこの新薬は、1次治療が効かなくなった後の2次治療において、より長期にがんの増殖を抑えてくれるという。 ホルモン療法を長く継続するのが治療の原則乳がんのホルモン療法は、患者さんが閉経前か閉経後かによって、治療内容が異な...
2012年3月
乳がん治療の専門家である 中村清吾さん アバスチンを用いた乳がん治療は、乳がんの進行を抑える期間をこれまでの2倍に延長した。 そのアバスチンが、トリプルネガティブ乳がんや、ホルモン剤が効かなくなったホルモン陽性乳がんへの新たな治療法として、2011年9月にわが国で保険適応となった。 進行・再発乳がんの治療の基本はより良い状態をより長く乳がんの薬物治療は、大きく2つに分けられる。1つは、手術後に...