エビデンスのあるオーダーメード治療を可能にするために 未承認薬・適応外薬で標準治療から見放された患者さんを救う!
2011年10月
未承認薬や適応外薬を使った がん治療に積極的に 取り組んでいる 今村貴樹さん 世界で標薬として使われているが、国内では未承認という薬は少しずつ少なくなってきている。 その一方でクローズアップされているのが、ある疾患には使えても別の疾患には使えない"適応外薬"の問題だ。 「使いたくても使えない薬」を使えるようにするには──。 縮まってきたドラッグラグ未承...
2011年10月
未承認薬や適応外薬を使った がん治療に積極的に 取り組んでいる 今村貴樹さん 世界で標薬として使われているが、国内では未承認という薬は少しずつ少なくなってきている。 その一方でクローズアップされているのが、ある疾患には使えても別の疾患には使えない"適応外薬"の問題だ。 「使いたくても使えない薬」を使えるようにするには──。 縮まってきたドラッグラグ未承...
2011年10月
手術不能・再発乳がんの患者さんに対しては、現在、標準治療とされているアンスラサイクリン系抗がん剤やタキサン系抗がん剤を使用し、効果が得られなかった、もしくは再発してしまった場合、これまでは「確実な次の一手」がない状況でした。2011年7月に発売されたハラヴェンは、この「次の一手」となる乳がんの新しい抗がん剤として大いに期待されています。生存期間を延長し、副作用は従来と変わらず [エリブリン単剤治療...
2011年8月
乳がんや結腸・直腸がんなどの治療に使われてきたゼローダが、進行・再発胃がんの治療に使えるようになりました。3段ロケット方式でがんを狙い撃ちするという特徴を持ち、これまでの進行・再発胃がんの標準治療薬であるTS-1に比べて副作用が軽いのも特筆すべきことです。患者さんにとって新たな治療の選択肢が増えたことは、大きな朗報といえるでしょう。 正常細胞には作用せず腫瘍部分で5-FUに変わるゼローダ(*)は、...
2011年7月
予後が悪いといわれるHER2 陽性乳がんの薬は、これまでハーセプチンしかないのが現実でした。そこに登場したのがタイケルブです。ハーセプチンと同じHER2タンパクを標的とする薬ですが、標的とする部位が異なるため、ハーセプチンが効果不十分の患者さんへの効果が期待されています。HER2陽性乳がんの新たな選択肢HER2陽性乳がんとは、がん細胞の中にHER2タンパクがたくさんあるタイプの乳がんのことです。採...
2011年5月
血液がんの一種「骨髄異形成症候群」では、代表的な症状として難治性の貧血が起こることがあります。その治療に輸血が繰り返されると、体内に鉄が蓄積して慢性鉄過剰症が発症します。余分な鉄を排泄する必要がありますが、従来使われてきた注射剤は毎日打つ必要があり、治療を継続するのがきわめて困難でした。エクジェイドは、1日1回の服用で、すぐれた鉄の排泄作用を発揮します。輸血で体内に入った鉄は排泄されずに蓄積する鉄...
2011年4月
イムシストの膀胱内注入療法は、膀胱がんのほぼ8割を占める筋層非浸潤性膀胱がんの治療に効果があるとして、03年から行われてきました。内視鏡手術後の再発予防に関しては、近年実施された臨床試験により、手術後だけに行うよりも、間隔をあけながら1年半後まで続けるほうが、再発予防効果が高いことが明らかになりました。昨年8月から、この使用方法が保険で認められています。BCG ワクチンが膀胱がんに効く結核を予防す...
2011年3月
長い間、日本における進行性腎細胞がんの治療はインターフェロンが中心でした。ここ数年、立て続けに新しい薬剤が発売され、進行性腎細胞がんの治療が激変してきています。 2010年9月に発売されたトーリセルは、1番新しい進行性腎細胞がんの薬剤です。海外で行われた臨床試験の結果では、状態が厳しい患者さんにとって希望の持てる結果が得られています。 進行性腎細胞がんで生存期間が延びた初の薬 トーリセルは、mTO...
2011年2月
アービタックスは、EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の大腸がんに使用される抗がん剤です。これまでは、他の標準的治療薬で効果がなかった場合に使う2番手、3番手の薬でしたが、2010年3月に1次治療から使える薬として承認されました。 2つのメカニズムでがん細胞を攻撃 大腸がんは、進行して手術ができない場合、抗がん剤による治療が行われます。アービタックスはこのような進行した大腸がんに使用される薬剤で...
2010年11月
抗がん剤のパクリタキセルは、がんの分野で広く使われてきました。そうした中、改良された新剤形・新用量のパクリタキセル製剤としてアブラキサンが新登場しました。3時間かかった点滴時間は30分に短縮され、過敏症によるアナフィラキシーショック症状なども回避できるようになりました。今年7月に承認され、乳がんの治療薬として期待されています。 優れた抗がん剤だが問題点を抱えていた 優れた抗腫瘍効果を持つパクリタキ...
2010年10月
多発性骨髄腫の薬物療法は、新薬が次々に登場したことで大きく進歩しました。2010年7月、多発性骨髄腫に対する効果の大きいレブラミドが発売され、治療成績のさらなる向上が見込まれています。レブラミドは、手足のしびれなどの副作用が少ない経口剤で、QOL(生活の質)の改善にも役立つと注目されています。 薬物療法の治療成績が大きく向上している 多発性骨髄腫は血液のがんの1つです。赤血球や白血球といった血液細...