アフィニトール(一般名:エベロリムス)転移性腎がんの薬物療法に新たな選択肢
2010年9月
進行、再発、あるいは転移した腎がんに対する薬物治療は、08年に2種類の分子標的薬が登場したことで、大きく前進しました。しかし、これらの分子標的薬が効かなくなってしまった場合には、残念ながら、もう打つ手がなかったのです。 2010年4月、新たな分子標的薬としてアフィニトールが発売され、そんな患者さんも治療が可能になりました。 待望の第3の分子標的薬 [アフィニトールががんを抑えるしくみ] 腎が...
2010年9月
進行、再発、あるいは転移した腎がんに対する薬物治療は、08年に2種類の分子標的薬が登場したことで、大きく前進しました。しかし、これらの分子標的薬が効かなくなってしまった場合には、残念ながら、もう打つ手がなかったのです。 2010年4月、新たな分子標的薬としてアフィニトールが発売され、そんな患者さんも治療が可能になりました。 待望の第3の分子標的薬 [アフィニトールががんを抑えるしくみ] 腎が...
2010年8月
肝がんの8割はC型肝炎ウイルスが原因だと言われています。そのため、肝がんを予防するには、C型慢性肝炎の治療が欠かせません。 C型慢性肝炎を治す決め手はインターフェロンを使う薬物療法。従来のインターフェロンを改良したペグイントロンが登場してから、治療の効果は飛躍的に高まっています。 肝がんの原因の8割がC型肝炎ウイルス 肝がんによる死亡者は、1975年以降急増しており、現在では年間約3万人に達してい...
2010年7月
手術ができない乳がん、再発乳がんの薬物治療に新たな選択肢が加わりました。 昨年、ジェムザールは非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、尿路上皮がんに次いで、「手術不能又は再発乳癌」の効能を取得。臨床試験の結果、手術ができない乳がん、再発乳がんの生存期間を延長するという有効性が示されています。 再発乳がん治療に新たな選択肢 がんが進行していて手術が不可能な乳がんや、再発した乳がんについては、薬物療法が治療...
2010年6月
大量の尿酸が血中に存在する高尿酸血症は、がんの化学療法が原因で起こる症候群の1つです。 この病気は適切な治療を行わないと急性腎不全に至ったり、最悪の場合は致死的な経過をたどることもあります。しかし、昨年10月、このがん化学療法に伴う高尿酸血症の治療薬としてラスリテックが日本でも承認されました。とくに、良好な予後が期待できる小児血液がんの治療現場から切望されていた薬剤の登場です。 腎臓にダメージを与...
2010年5月
エルプラットは、進行・再発大腸がんに対し、FOLFOX療法という他の薬剤との併用療法で、画期的な成果をあげてきました。 2009年8月、結腸がんの術後補助化学療法にも適応が拡大。 いずれ国内でも術後補助化学療法の標準治療になるだろうと、大きな期待が寄せられています。 大腸がんの治療に変革をもたらしたエルプラット 多剤併用療法の「FOLFOX」療法は、大腸がんの化学療法に変革をもたらした治療法で、現...
2010年4月
うつ病に苦しんでいる、がん患者さんは多い。 09年9月に発売された抗うつ剤リフレックスは、これまで広く使われていた抗うつ剤とは、作用メカニズムがまったく異なる新しい抗うつ剤です。 最大の特徴は、眠れない、イライラ、不安、憂うつ感などの自覚症状が、服用後の早い時期から解消されることです。他の薬との相互作用が起こりにくいことも特徴です。 作用の仕組みが新しい新タイプの抗うつ薬 がんと診断されたとき、あ...
2010年3月
大腸がんは、ここ数年で急速に死亡率が増えており、将来日本人のがんの死亡原因のトップになるだろうと予測されています。 日本の大腸がんの集団検診で行われている便潜血検査は、大腸がんの早期発見に貢献している検査です。 今回紹介する「OC-ヘモディアオートIII」は、免疫学的な抗原抗体反応を利用して便中に血液が混入していないかを調べるラテックス凝集反応を測定原理とした便潜血検査薬です。 食事や薬の影響を受...
2010年2月
アバスチンは分子標的薬の1つで、がんに栄養や酸素を補給する血管が作られないようにしてがんの成長を妨げる薬です。日本では、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」に対してのみ使用が認められていましたが、米国、欧州に続いて、日本でも09年11月に「扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」への適応追加の承認が得られ、肺がん治療に新たな治療選択肢が加わることになりました。 がん細胞の血...
2010年1月
タシグナは、慢性骨髄性白血病の患者さんのうち、グリベック(一般名イマチニブ)が効果不十分、もしくは副作用などにより中止せざるを得ない人を対象としています。 慢性骨髄性白血病治療を一変させる治療効果を持ったグリベックでも、十分な効果を得られなかった患者さんにとって、大きな福音となる薬剤です。 慢性骨髄性白血病の治療を一変させたグリベック 慢性骨髄性白血病は、赤血球や白血球、血小板などの血液細胞を作る...
2009年11月
埼玉医科大学国際医療センター 腫瘍内科教授の 佐々木康綱さん これまでの抗がん剤とは、全く異なるメカニズムで働く「分子標的薬」が本格的に使われ出して8年。 当初は、夢のがん治療薬といわれたこの薬も長所短所が明らかにされつつあり、より効果的な使い方を求めて新たな時代に入ろうとしています。 がんを狙い打ちする分子標的薬 日本で本格的に分子標的薬が使われ始めたのは、転移性乳がんの治療薬ハーセプチン(...